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麺屋武蔵 @新宿
訪問 2014年6月29日(訪問数回目)


角煮ら~麺

言わずと知れた、’90年代後半からのラーメンブームを牽引してきた一店。相変わらず客が多く、全盛期ほどでないにせよ、今でも多少待つ人気。

僕はこのブログを書く前から数回本店にも行っているし、また吉祥寺の麺屋武蔵 虎洞や池袋の麺屋武蔵 二天などへも行っている。まず正直に最初に書いてしまうと、世間で評価が高く、並ぶほどには僕は武蔵のラーメンにハマらずにここまで来た。確かに普通に美味い。美味いんだけれども、何かが違うのだ。

で、今回ひさびさに本店へ来店してみた。そして食してみて、やっぱりハマることはなかった。あくまで断っておくが、普通に美味いは美味い。要するにこれは好みの問題である。ではその「好み」を分析してみる。

まず、麺屋武蔵が登場して革新的にラーメンが変化したのは間違いなく、醤油ラーメンなのだがそれまでの醤油ラーメンとは違い、ホームページのまま引用すれば『鶏ガラと豚骨を主体とした「動物系スープ」と、かつお節、煮干しでとる「魚介系スープ」のダブルスープ』であって、動物と魚介のダブルスープの意味合いからすれば、中野の青葉と並んで業界を引っ張ってきた。

しかし、それでも僕は同じダブルスープならばより魚介の香りが強い青葉派である。そして、言い方を変えるならば「ガテン系濃厚醤油ダブルスープ」なのが麺屋武蔵なのだ。
このガテン系というところがポイントで、ラーメン全体からくる力強さがいかにも体育会系なのである。
(もちろんこれは私の想像であって、本当に店主がガテン系なのかどうかは分からないのであしからず)

これはメニューからして「ら〜麺」というベースメニューがなく、スタンダードの段階で「角煮ら〜麺」しかない点からしてもそうだし、スタッフの威勢の良さ、風貌、店構えからしてそうだ。
ちなみに味玉ら〜麺すらなく、デフォで角煮がついてくる。正直、僕は食べられないわけじゃないけど角煮がそれほど今は得意ではないので、普通のら〜麺を味わいたい。

この、全体的に体育会系的な感じがイマイチ馴染めないのだ。これは完全に「好み」である。だから好きな人はとことん好きだろうと思う。
そして、ダブルスープなら魚介がもう少し強い青葉だったり、もっと言えば荻窪系の昔ながらの純粋醤油ラーメン/中華そば/支那そばが好きという、僕のような人間にはフィットしないんじゃないか、というのが結論だ。

昔、ラジオで松本人志さんが武蔵を最初の頃に食べたときに「そんなに美味いか?」みたいな発言をされていた(詳しくは 放送室8〈Disc 1「うまいラーメン屋」を参照のこと〉というエピソードを聞いたが、松本さんは書籍『人志松本のすべらない話のプロデューサー将佐々木のすべらない店』でも紹介されていたように荻窪の春木屋派のようであり、だとすると、武蔵がフィットしなかったのも頷けるのである。

苦手と言ってみたものの、角煮と麺、とてもバランスがよく全然美味しく食べられた。また、卓上に置かれた武蔵生七味も柚子胡椒のようで、ら〜麺とよく合う。バランスや統一感は今もって文句無しである。

スタッフも威勢がよく、なぜか店主と同じようにチョビ髭。体育会系とはいえデザイナーズな店内でJazzが流れているという、全然体育会系じゃないところもあり、どちらにせよバランスの良い店内だ。

カウンターのみ。荷物置きすらなく、昔から客は立って待たされる。これはもう少し改善して欲しいところ。

好みの論に終始してしまったが、人気があり、そして2014年現在も進化研究されいるラーメンということは、味の深みで伝わってくる。お弟子さんも多数輩出しており、業界の一翼を今後も担っていくでしょう。

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Writer:オーシャン

コラムニスト:オーシャンこのブログでは、私のライフワークである旅、滝めぐり、ラーメン食べ歩き、食レポート、温泉/旅館/ホテルなどについて、徒然に綴っています。→ [ 詳細 ]

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