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季織亭 @経堂
訪問 2014年1月13日(3回目の訪問)
ラーメン激戦区 経堂にあって、10数年君臨している。完全無化調で、実に繊細/上品なお味。まだ僕がブログなんかを始めるよりもっと前、10年くらい前だろうか、年間で食べたラーメンの中で最も印象に残ったMVPの一杯にしたこともある。
とても上品なだけに、ともするとガツンとくるものがないとも言えるが『主張しないことの主張』というべきか、いわゆる“パンチがない”のとは微妙に違い、素材それぞれの本来の味が一体となって押し寄せてくるようなパンチ力がある、と記しておく。
「特製」になると有用微生物(EM)で育った鶏から生まれた卵の半熟たまごや、メンマの代わりにタケノコがトッピングされる。どれも美味い。チャーシューも口中でほろほろとほぐれる。
湯気がたって着丼しないが、スープはチンチン。麺もつるつるでありながら、小麦の蕎麦そのもの。
店内も落ち着いたつくりで、器もおしながきに合わせている。ハンガー等もある。BGMはJazzが流れる。
これほどの店なのに、、、なんとこの2月いっぱいで店を閉めてしまうとのこと。スタッフと話してみたが、辞める理由は皆まで聞きますまい。ただ、小麦を手打ちしてこの場所でやっていくには厳しいと。「店舗の老朽化」と張り紙がしてあったものの、それだけではなさそうだし、建て替えて心機一転というわけではなく、少なくとも今のメニューが食べられるのは2月までとのこと。ただ、新たにやり直すならまた経堂で、ということだったので一縷の望みはあるやもしれぬ。
たまたま、本当にたまたま久々に足が向いた季織亭だったが、まさか閉店の報に接するとは考えていなかった。もともと無化調の弁当屋から始まって23年、中華蕎麦をやるようになって17、8年とのこと。もうこの味が無くなり、食べられなくなるのは大変残念。これまでいくつかの店、味を見送ってきたが、自分では再現不可能な「ここでしかない味」が消えてしまうのは寂しいものである。この味が楽しめるのも2月末まで。
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