Live鑑賞 ~ KIRINJI SPECIAL LIVE 2021 ~SAIKAI~ at Zepp Haneda

2021年8月13日。

Live鑑賞 ~ KIRINJI SPECIAL LIVE 2021 ~SAIKAI~ at Zepp Haneda


KIRINJI SPECIAL LIVE 2021 ~SAIKAI~ at Zepp Haneda



出演:堀込高樹(Vo/Gt/Key)
千ヶ崎学(Ba)
KASHIF(Gt)
伊吹文裕(Dr)
宮川純(Key)
矢野博康(Perc/Manip)
MELRAW(Sax)

Guest:
Awich


<Set List>
1.雑務
2.時間がない
3.新緑の巨人
4.恋の気配
5.善人の反省(8月14日1stではAfter the party)
6.ダンボールの宮殿(8月14日1stではハピネス)
7.Bad Bad
(Kirinji、Awich)
8.爆ぜる心臓
(Kirinji、Awich)
9.明日こそは/It’s not over yet
10.「あの娘は誰?」とか言わせたい
11.Almond Eyes
12.再会



Kirinjiのライブは、2020年12月のバンド体制最終ライブとなったNHKホール以来8ヶ月ぶり。
つまり堀込高樹を中心とする「変動的で緩やかな繋がりの音楽集団」となってからのKirinji初ライブである。
本当は5月にブルーノート東京でライブ(しかもブルーノート初登場)のはずだったのだが、緊急事態宣言で流れたこともあって、正真正銘の「初」。
この日も緊急事態宣言中なのではあったのだが、高樹さんに限らず、エンタメ業界もうそんなこと言ってられん!という状況なのだろう。

この8ヶ月、高樹氏はなかなか精力的で、去年出した「あの人が歌うのを聞いたことがない」という絵本と歌の披露ライブをブルーノート東京で行う予定だったわけだし、4月にはコロナ禍ソングである「再会」をリリース、他にもテレビ東京系のドラマサウンドトラック、そして映画「鳩の撃退法」の主題歌である「爆ぜる心臓」をリリース、映画のサウンドトラックも担当と大忙し。
今回のライブも「爆ぜる心臓」のリリース記念と銘打って行われた。

緊急事態宣言中で且つ広めとはいえライブハウスで、という状況で長い時間できないこともあり、ライブは1時間20分強、アンコールなしという構成だった。

男子だけのバンド編成。
バンド時代の華でもあった弓木さんのギターがなくなり、いやギターだけでなくボーカル&コーラスも彼女は出来ただけに、そのあたりがどうなるのか要注目だったが、やはり最初の「雑務」なんかを聞くと、弓木さんがいない(というか、さらに前にはコトリンゴさんもいたわけでね)寂しさを感じざるを得なかった。
しかしそこは剛腕 堀込高樹。手練れの精鋭を集めたバンドがエンジンを全開にしだすと、後半はそういった寂しさを全く感じさせず、新生Kirinjiとしての演奏をしっかり前面に押し出す。

特に千ケ崎さん、矢野さん、そして前回ライブから参加のMELRAWさんはすでにKirinjiに馴染んでいるけれど、KASHIF(Gt)、伊吹文裕(Dr)、宮川純(Key)の3人は初で、たった1時間強のライブの中でしっかりとKirinjiミュージックに対応させていた。
ふだんからあらゆるミュージシャンと絡み、宮川さんなんかはブルーノートだコットンクラブだといったクラブにもJazzミュージシャンたちと出まくっているようなので、演奏力が高いのも肯ける。

たった1時間20分ほどのライブなので、もっともっと聴けるのだが、密度が濃かったからか、たまたま前から3列目だったからか、短さを全然感じさせないくらい満足できた。
新曲「爆ぜる心臓」はAwichさんのエネルギッシュさも相まってノリノリのゴリゴリに聴かしたかと思いきや、この曲がいくら映画のテーマだからと言っても、「恋の気配」なんかを聴くと本当に同一人物が作曲しているのかと思うくらい、バラエティに富んだ曲調ばかり。
そして個人的には、まさに2021年8月13日現在世間を騒がせているDaiGoに聴かせたいキリンジ時代の名曲であり迷曲「ダンボールの宮殿」を演奏してくれたことに歓喜。
(もちろん、この炎上以前にセットリストに加えていたのだろうけれど)
ホームレスを世界一かっこよく歌った曲だろう。
この歌詞を聴いてなぜだか泣けてくるのは筆者だけではあるまい。

さて、そんなこんなで新旧織り交ぜた楽曲を聴かせてくれたライブではあったものの、まだまだ新生Kirinjiとしての新曲が少ない状況でもあり、高樹氏の口から発せられた年内に出すであろうアルバムが出てからが本当の始動になってきそうだ。
どんな曲調に変化しておこうと、Kirinjiなかんづく堀込高樹の音楽世界と詞の世界についていく、そんなオーディエンスがコロナ緊急事態の中を遠い遠い羽田に集っていた。
ファンとはただ付いていくものと見つけたり Byみうらじゅん先生
である。
まだまだ今後の展開が見逃せない。

このブログに掲載している、過去のKirinji(キリンジも含む)ライブ一覧。
Live鑑賞 ~ KIRINJI LIVE 2020 at NHKホール
Live鑑賞 〜 KIRINJI PREMIUM 2019 at Billboard Live TOKYO
Live鑑賞 〜 KIRINJI 20th Anniversary Live「19982018」at 豊洲PIT
Live鑑賞 〜 KIRINJI Tour 2016 at 品川ステラボール
Live鑑賞 〜 KIRINJI PREMIUM 2015 at Billboard Live TOKYO
Live鑑賞 〜 Kirinji(キリンジ) at 渋谷 duo MUSIC EXCHANGE
Live鑑賞 〜 Kirinji(キリンジ) at ビルボードライブ東京
Live鑑賞 〜 Kirinji(キリンジ) at オーチャードホール
Live鑑賞 〜 キリンジ at NHKホール
Live鑑賞 〜 キリンジ at ラフォーレミュージアム六本木
Live鑑賞 〜 キリンジ Live at 横浜BLITZ 2011
Live鑑賞 〜 キリンジ 10th Anniversary Premium Live 2008 at 中野サンプラザ
Live鑑賞 〜 キリンジ Live at CCレモンホール 2008
Live鑑賞 〜 キリンジ live at 日比谷野外大音楽堂 2007
Live鑑賞 〜 キリンジ Live at 渋谷 C.C.Lemonホール 2006


最新シングル

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これまで7年間のKirinji集大成アルバム

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名曲「ダンボールの宮殿」

ダンボールの宮殿 (2018 Remaster)

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Writer:オーシャン

コラムニスト:オーシャン幼少の頃より音楽を始めとしたあらゆるエンターテインメントに触れる機会を持つ。学生時代はフュージョン系サークルにもプレイヤーとして所属。→ [ 詳細 ]

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