Live鑑賞 ~ aiko Love Like Pop Vol.24.5 at 日本武道館

2024年2月29日。





aiko Love Like Pop Vol.24.5 at 日本武道館



出演:
aiko(vo)

島田昌典(key)
佐藤達哉(key)
設楽博臣(gt)
浜口高知(gt)
須長和広(B)
神谷洵平(Ds)
朝倉真司(per)

斎藤幹雄(tp)
小林太(tp)
庵原良司(Sax,cl)
川原聖仁(tr)

室屋光一郎Strings



<Set List>
1.アップルパイ
2.列車
3.桜の時
4.明日の歌
5.舌打ち
6.名のないハート
7.明日もいつも通りに
8.青い光
9.ぬけがら
10.寒いね…
11.のぼせ
12.木星

13.アタック24.5!メドレー
ドライブモード
赤い靴
合図
カブトムシ
I’m feeling blue
Loveletter
二人
果てしない二人
アイツを振り向かせる方法
さよなランド

14.星の降る日に
15.恋のスーパーボール
16.荒れた唇は恋を失くす

アンコール #1:
17.宇宙で息をして
18.ジェット
19.ストロー

アンコール #2:
20.プラマイ
21.アンドロメダ
22.キラキラ
23.be master of life



aikoのライブは、2021年9月の東京ガーデンシアター以来、実に2年7ヶ月ぶり。
前回はaiko Love Like Pop Vol.22だったので、vol.23は見れていない。
Live鑑賞 ~ aiko Love Like Pop Vol.22 at 東京ガーデンシアター〜その2

日本武道館に至っては、2016年2月19日の聖飢魔II地球デビュー30周年ミサ以来、8年ぶりである。
武道館、かつて’90年代後半は2ヶ月に1回は全日本プロレスのシリーズ最終戦を見るために足繁く通ったものだが、基本的には当時と変わっていないものの通路が「少し明るく」なった気がする。
アリーナ席へ向かう通路を歩いていると、あぁ、ここで三沢が川田がハンセンがウォリアーズが、入場前のアップをしていたなぁ〜などと思い出し、なんだかこちらも気合が入る。
閑話休題、aikoの武道館ライブとしては、2008年9月のLove Like Pop Vol.11.5以来15年7ヶ月ぶりである。
Live鑑賞 〜 aiko Love Like Pop Vol.11.5 at 日本武道館 2008

さて、しょっちゅう見ている気がするのに、約2年半見れていなかったaikoだが、奇跡の48歳で、変わらず元気に飛び跳ね、喋り、歌い倒す。
もう今の時代は、筆者らが子供の頃に見ていた40代50代よりも皆10歳は若い。
若々しく保てるようになった時代、なのだろう。そして、さらに進化して今から数十年すれば、もっと若くなるんではなかろうかとも思う。

筆者がaikoのライブに初めて行った2000年12月から音楽を取り巻く環境も大きく変わり、あのデビューしたて当時のaikoについては「この先どうなるんだろう」と心配もしたものだが、あれから20年以上経て余裕綽々(本人は相変わらず謙虚だけれど)、順風満帆、しっかりとフォロワー/固定客が付いているから、ちょっとやそっとじゃビクともしません。
その証拠が今宵のセットリストである。
X(旧Twitter)上では、フォロワーの皆さんによるセトリ良かった〜!!という声が多々だけれども、一見さんからすれば知らん曲いっぱい、といっても過言ではあるまい。
aikoファンからしても割とマニアックな選曲で、もはや一見さんを相手にせずとも、固定の皆さんを楽しませますよ〜という風情。
でも、今の時代はそれが大切でしょう。そこをこそしっかりと掴んでおかねば、である。
とはいえ、もちろん初めてのお客も全然楽しめるとは思うけれど。

その一つが、相も変わらぬオーディエンスとの会話。客の歓声に毎度反応して返す量は、さだまさしさんでも裸足で逃げ出すほどではないか。
ただ、喋りかけてくるオーディエンスの「他の客への気遣い」がないと収集するのがかなり困難だけれども(今宵もそういう場面が散見された)。
ま、そんなことも含めて「ライブ!である」というのがaiko氏の持論である。

これでさらに花道でもあればいいのに、と思ったのだが、消防法が改定されたらしく、花道を作ってしまうと、客席の数にかなり影響が出てしまうそうで、なくなくチョビっとだけ(本人曰く「レゴくらい」)飛び出たステージがある程度、であった。
それでも小っこい身体で上手から下手まで走って歌いまくるので、花道なくても全然大丈夫。
他にもザイロバンドを始め、演出は盛りだくさんで、それらが楽しめる要因になっている。

さて、ドラマーたる筆者からすると、前回のライブから大きく変わったのは、佐野康夫さんから神谷洵平さんに変わったことである。
正直、方々からいろいろ噂は聴いていた。
特に古参のaikoファンからは「佐野さんが良い。。。」という意見が多いこともズバリ書いておくが、何よりも自分自身で見て聴いてみないことには何とも言えぬ。
ということで、実際見てみての感想。

まずは、ポップスドラムの王道を行くザ・佐野康夫と比べたら可哀想。というのが第一の感想。
そりゃあもう、佐野さんのドラムはしなやかだし、その実、音はデカいし、そのデカさもジャストタイミングでスパーンと決まってくるから決してうるさくないし、神谷さんには悪いが、筆者とて「aikoに合ってる」と思う。
叩き方も両者で全然違うのだけれども、神谷さんは踊るように叩く。パッションに身を委ねて叩く感じ。最初はブライアン・ブレイドか?!とも思ったが、見ているとそうじゃなくてスティックを短く持つ感じといい、フィルの叩きっぷりといい、アリ・ホーニグか?!という感じ。
で、そういった感じの叩き方を筆者もしてしまうので「気持ち分かるよ〜」と思いながら見ていた。
ただ、佐野さん含め、世界の名だたるトップドラマーたちもほぼそういう叩き方はせず、背骨は真っ直ぐ状態のまま腕だけで、なんなら手首より先だけで、しなやかに叩くというのが基本。
そういう叩きっぷりも含めて、かなり佐野さんと違うだけに、好き嫌いが分かれてしまうのだろう。
どんなスタイルだろうが、DW製のドラムスでしっかりと叩き切っているだけに、今後、どうなっていくか注目。

さすがにアリーナツアーのあとの追加武道館とあって、ホーンセクションありお馴染みのストリングスあり、そしてそして島田さんも加わったダブルキーボードありと、演奏陣も豪華。さらに、筆者が見ていない間にパーカッションまで加わっていた。しかもASA CHANGである。
ただ、どうしてもツインギターだし、他の楽器陣もガシガシ演奏するため、パーカッションの音が埋まってしまっていた。
aikoのライブだから絶対的に歌メインになるのは当たり前なのだが、これだけの布陣が揃っているのだから、個人的にはパーカッションソロなんかも聴きたかったところ。

聞けば今宵のセットリストは完全に今宵限り。明日の最終公演はまた違うセトリになるとのこと。
演出や楽器陣など、改変を繰り返し、聴かせる曲目はあくまでコアなファン向けながら、そこをしっかりと掴んでいく曲たちを聴かせ、、、
まだまだこれからどう変化していくか、50代になろうが60代になろうが、見続けたいアーティストの一人である。
今宵、自身が初めて書いた曲という「アイツを振り向かせる方法」を珍しく歌ってくれたけれど、60代で若かりし頃に書いた曲を歌いこなした時に新たな日本の女性J-pop恋愛ソングの形が出来ていくのではないか、と思う。

過去のaikoライブ鑑賞ブログ(Love Like Pop Vol.10以降のみ)
Live鑑賞 ~ aiko Love Like Pop Vol.22 at 東京ガーデンシアター〜その2
Live鑑賞 ~ aiko Love Like Pop Vol.22 at 東京ガーデンシアター
Live鑑賞 ~ 立川談春 35周年記念公演 ~玉響-tamayura~ 第四夜 ゲスト aiko at シアターコクーン
Live鑑賞 〜 aiko Love Like Pop Vol.20 Live at NHKホール その2
Live鑑賞 〜 aiko Love Like Pop Vol.20 Live at NHKホール
Live鑑賞 〜 aiko Love Like Pop Vol.17 Live at 中野サンプラザ
Live鑑賞 〜 aiko Love Like Pop Vol.15 add.at 横浜アリーナ
Live鑑賞 〜 aiko Love Like Pop Vol.15 at NHKホール
Live鑑賞 〜 aiko Love Like Pop Vol.14 at NHKホール
Live鑑賞 〜 aiko Love Like Pop Vol.13 add at 代々木第一体育館
Live鑑賞 〜 aiko Love Like Pop Vol.12 at NHKホール 2010
Live鑑賞 〜 aiko Love Like Pop Vol.11.5 at 日本武道館 2008
Live鑑賞 〜 aiko Love Like Pop Vol.11 at NHKホール 2008
Live鑑賞 〜 aiko Love Like Rock Limited at Zepp Tokyo 2007
Live鑑賞 〜 aiko Love Like Pop Vol.10 add.at 横浜アリーナ 2007
Live鑑賞 〜 aiko Love Like Pop Vol.10 at 中野サンプラザ




現時点でのaiko最新シングル
aiko「星の降る日に」

現時点でのaiko最新アルバム
今の二人をお互いが見てる [初回限定仕様盤A(CD+LIVE Blu-ray)](特典なし)

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Writer:オーシャン

コラムニスト:オーシャン幼少の頃より音楽を始めとしたあらゆるエンターテインメントに触れる機会を持つ。学生時代はフュージョン系サークルにもプレイヤーとして所属。→ [ 詳細 ]

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