幼少の頃より音楽を始めとしたあらゆるエンターテインメントに触れる機会を持つ。学生時代はフュージョン系サークルにもプレイヤーとして所属。→ [ 詳細 ]
2023年5月20日。2nd Show。
Live鑑賞 ~ Makoto Ozone Super Trio featuring Christian McBride & Jeff “Tain” Watts Live at BlueNote Tokyo 2023
小曽根真 スーパー・トリオ
featuring クリスチャン・マクブライド & ジェフ“テイン”ワッツ
Makoto Ozone(p)
小曽根真(ピアノ)
Christian McBride(b)
クリスチャン・マクブライド(ベース)
Jeff “Tain” Watts(ds)
ジェフ“テイン”ワッツ(ドラムス)
小曽根さんは2015年9月のデイブウェックルとの双頭バンド以来約7年半ぶり。
クリスチャンマクブライドは2019年4月のチックコリアトリロジー以来約4年ぶり。
(まさかその時がチックの最後の日本でのライブになるとは思いもよらなかったが。。。)
ジェフワッツに至っては、まさにこのトリオの2012年9月のライブ以来約10年半ぶりである。
いやいや、それよりもブルーノート東京が昨年3月のKirinji以来だし、ブルーノートで海外アーティストを聴くのはコロナ禍直前2020年2月のキャメロングレイブス以来だし、ブルーノート東京でラテンでもフュージョンでもないごく純粋なドJazzを聴くことが、チックコリアトリロジー以来4年ぶりである。
約30年の間、さんざん足を運んでJazzを聴きまくってきたのにコロナのアホのせいで、この3年はグチャグチャにされた。
その間も、数々のアーティストが天に召された。
そして、やっとコロナも収束し、戻ってきた!感がある。
実際、この日のオーディエンスも皆、Jazz聴きたかった〜〜!的な人たちでいっぱいだったし、ソーシャルディスタンスなしでコロナ前と同じような席の配置とマスク無し(してる人もいたが)で語らい合う人たちの姿が見られた。
立ち見席も2階の審査員席にもお客がいっぱい。
さて、小曽根さんは7年半ぶりと書いたが、コロナ初期の毎日の配信ライブには感銘を受けたし、コロナでブルーノートをはじめとするライブハウスの苦境にも積極的に動きまくって、数々のライブを行い、コロナ前からバイタリティー溢れる活動だったけれど、より一層動きまくっている感じで、本当に若々しい限り。
なんというか、個人的に思うのは、小曽根さんってもちろん評価はされているのだろうけれども、もっともっと凄さを世間に認知/評価されるべきアーティストのように思う。
Jazzが弾けて、クラシックも出来て、ソロもデュオもトリオもJazzオーケストラも率いることが出来て、オルガンも出来て、フュージョン系でもラテンでもいけるし、クラシックオーケストラとの共演もする。
故 坂本龍一教授も同じようにあらゆる方向の音楽が出来るし、とんでもない功績を果たしたけれども、それに匹敵するくらい小曽根さんはバーサタイルに活動しているのに、と。
(敢えて言えば映画音楽をやってるかどうか、くらいだが、演奏力という意味では小曽根さんの方が上)
要は、教授の知名度と比べてどうよ?という感じなのである。
さて、今宵のベース&ドラムスは、Jazzの世界では世界最高峰のリズム隊なので、生半可な腕ではやれない。食われる。
日本人で彼らとサシで演奏できるミュージシャンは限られる。
実際に一緒に演奏したとしても、こちらが安心して見てられないか、彼らが遠慮してパワーダウンしてくれるか、だ。
そこへ持ってくると、小曽根さんに関しては安心して見ていられるし、そこは同じ時期にバークリー音大やジュリアード音大で学んだ同級生3人ということで、信頼しあって演奏しているのがオーディエンスにもひしひしと伝わってくる。
信頼もしているし、何よりも再会を楽しんで演奏しているのがよく分かる。
緊張した関係性で演奏するのもおもしろいし、そういう音楽の楽しみ方もあるが、やはり「楽しんで」「音で会話している」方が、見ているこちらも楽しい。
まさにそういうピアノトリオライブでした。
さて、ドラマー論。
10年ぶりのジェフワッツ。
10年経て、その分歳をとったわけだけれど、衰え全くなし。
相変わらず猛烈にスウィングしまくるドラミング。
人によっては「うるさい」となって嫌いという意見もあるかもしれないが、筆者はこれくらいアツく、アグレッシブにいってくれなきゃ、である。
鳴りのいいSONOR製ドラムを鳴らし切る剛腕でありながら、じゃあただただ叩きまくっているのかと言えばさにあらず。
実はものすごく繊細に強弱をつけまくって叩いている。
シンバルも3枚しか付けてないのに、何枚置いてあるんや?というくらいあらゆる音色を出してくる。
実はそういった緩急をつけまくっているドラミングで、そこにワッツ流の叩きっぷりとリズム崩しが加わるから唯一無二。
あ〜やっぱり、世界最高峰のトッププロは違うねぇ、というのをあらためて感じた。
今回の演奏は十分叩きまくってくれたし、楽しんだけれど、やはりワッツのドラムは前にホーン奏者がいて、それを煽りまくってこそ真骨頂。
故マイケルブレッカー、ケニーギャレット、ブランフォードマルサリスらとの共演を目の前で見てきたけれど、またブルーノートで再現して欲しい。
(ちなみに今回のブルーノート公演前にはブランフォードが加わってサントリーホールと西宮で演奏している)
彼らがそろそろレジェンドになりつつあるけれど、一番脂が乗り切っている世代でもあろうから、また再会セッションして欲しいなぁ。
とにかく、個人的にはJazzが帰ってきた夜、でした。
コメントを残す