Live鑑賞 ~ Mr.Children 30th Anniversary Tour at 日産スタジアム

2022年6月11日。

Live鑑賞 ~ Mr.Children 30th Anniversary Tour at 日産スタジアム


Live鑑賞 ~ Mr.Children 30th Anniversary Tour at 日産スタジアム




出演:
Mr.Children
桜井和寿(ボーカル・ギター)
田原健一(ギター)
中川敬輔(ベース)
鈴木英哉(ドラムス)
サポート
Sunny(キーボード、ボーカル)




<Set List>
1.終わりなき旅
2.名もなき詩
3.海にて、心は裸になりたがる
4.シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜
5.innocent world
6.彩り
7.口笛
8.車の中で隠れてキスをしよう(センターステージでVo,Gt,Keyのみで)
9.Sign(センターステージで)
10.タガタメ
11.Documentary Film
12.Dancing Shoes
13.LOVE始めました
14.フェイク
15.ニシエヒガシエ
16.Worlds end
17.永遠
18.Others
19.Tomorrow never knows
20.光の射す方へ
21.fanfare
22.GIFT
(アンコール)
23.エソラ
24.HANABI
25.生きろ




さて、ミスチルである。
まさか拙ブログでミスチルのライブを書く日が来るとは、という感じである。
その「まさか」とは、別に好きでもないのに、とかそういうわけではなくて、おそらくチケットなんてめちゃくちゃ取りづらいであろうからライブに参加できることはなかろうというやつである。

コアなファンというわけではないけれど、好きでもないのにというのでは全くなく、ミスチルが歩んできた約30年間ほぼずっと聴いてきているし、ほぼアルバムは所有しているし、まぁとにかくカラオケではどれだけ歌ってきたであろう、というもの。

そんな感じなので、やっとライブに参加できた、という心持ちで日産スタジアムへ足を運んだ。
なにしろ7万人という。
皆マスクこそしているものの、野外だし、「もうええやろ!コロナ」てなもので、席間を開けることなくマックスで客を入れている。
もちろんソールドアウト。
まずはその客席を見ているだけで壮観。
そして、なにくそコロナ、これこそライブの客入りだ!である。

以下、世の中には数多のミスチル評だったり、ミスチルライブ感想が出回っていると思うけれど、あくまで初めてミスチルライブを体験した者としての、そのままの感想を記していきたい。

ライブが始まる。
まずは1曲目から「終わりなき旅」だ。
先日のMステでミスチルファンに聞いた好きな曲ランキングで1位になった曲だ。
(筆者も好きは好きだけど、1位かと言われると違うけど、まぁそんなんはここではどーでもよい)
そういう曲を惜しげもなく最初から出してきます。
まぁそれはキラ星の如く曲を持っているミスチルだからそんなもんではビクともしないでしょう。
もう歌詞の1番が終わった段階で全員が拍手。
2番が終わっても拍手。
ほぉ〜、ミスチルのライブの流儀はこんな感じか?とか思いながら。
まぁでも流儀とかそんなんではなく、おそらく、素直にいろんな思いを込めて拍手しているようにも思える。

その後もセトリを見てもらえば分かる通り、ドカドカとヒット曲のオンパレード。
彼らのこの30年のシングル曲が、それがそのままJPopの30年の歴史の一つと言っても言い過ぎではないくらい、ちょっと怖さすら感じられてくるわけだけれど、とにかく筆者程度の、ともすればYoutubeではジョンスコだのJazzFusion系のドラムソロばっかり見ているような人間でもほぼどの曲も歌えてしまう。
なので、ほとんどミスチルを知らない人でも、それなりに曲を聴いているだけで楽しんでしまえるようなライブがミスチルなのだろう。

確かにステージングとしては、スタジアムライブとしての花火だったり、大画面だったり、そういった演出はあるとはいえ、基本的にはエンターテイメント性には乏しい。
それは想定内。
筆者がよく聴く(見る)ところのaikoのような、客と直に対話するようなものはないし、米米クラブのような何から何までエンターテイメントというものでもない。

じゃあそれとド対局に位置するといってもいい、Kirinjiとりわけ堀込高樹さんのような、MCこそするものの客に媚びずにやりたい曲をただひたすら演るだけ、というライブだったのかというとミスチルの場合そうじゃなかった。

一言でいうと「全身全霊」かな。
全身全霊感がすごいんである。
特に桜井さんとドラムの鈴木さんが。
それは今まで映像で見ていてもそうだったのだけど、ライブで見て感じて、そういうことだったのかと。

1曲1曲、身体全体で、身体も精神もぜ〜〜んぶ、と言った感じで演奏しまくる。
他のアーティスト/ミュージシャンが手を抜いてるとは言わぬ。
でも、なんだか桜井&鈴木コンビは見ていて正直に言って「もうちょっと手を抜きなはれ!!」と思った。
あくまで賛辞として「手を抜いたらええのに」である。

鈴木さんのドラムって、それこそミスチルの曲として見た場合でも、そんなに難しいフレーズが出てくるわけではないし、複雑なキメがあるわけでもない。
誤解を恐れずに書くと、それなりに練習すれば、だいたいのドラマーが叩けてしまう。
でも、分かった。
あれは鈴木さんでなくては無理だ。
全身で叩いているから。そして、鈴木さんの「顔」で叩いているから。
ジョンスコが顔でギターを弾いているように、鈴木さんは顔で叩いている。
ま、そんなのを抜きにしても、実際にはジャストのタイミングでのスネアのパン!を3時間強のライブで外さないことこそ、大変なことなのだけどね。0コンマ何秒ズレてもアカンからね。
リンゴスター的というか高橋幸宏的というか、そういう境地に行ってらっしゃるんだな〜と思った。
(高橋さんは顔では叩かんけど)

桜井さん、MCでこそその人の性格とかわかってきたりするわけだけれど、特に笑わせようとするでもなく、あ〜ホンマにピュアな人やねんなと。
そして、1曲1曲ガチで歌う。ガチで歌いまくる。
声を枯らすことなく、アンコールの最後の最後まで声が出まくる。
音も絶対外さない。
最後のMCで「3回くらい気を失いそうになった」と仰ってたけど、あれだけ歌えばさもありなん。

ミスチル嫌いの人って一定数いて、人生応援歌はいらん!気にくわん!みたいなことを聞きます。
それはそれで意見としてよく分かる。
筆者も、だからこそ堀込高樹氏が書くような、応援にもなんにもならないような「ただメロディーに合わせてるだけの複雑怪奇な詞」も好きだし、大槻ケンヂの世界も好きだし、小池真司氏の超ダークな世界観の詞も好き。
でも反面、桜井さんの詞も真正面から受け入れる。
正直に言えば、元気も出るし、涙も出る。
「彩り」を聴いた時など、この人は普通の会社で働いたこともないのになぜフツーの会社員の気持ちが分かるのだ?と思ったもんです。
で、そういうのが桜井さんの偽善っぽく見えるのかもしれんのだけれど、ライブを見てなるほど、この人は素でピュアすぎる人なんやなと。
そんなものも彼の一面で、虚構だと言われてしまえばそれまでだけど、筆者の目にはそう写った次第。
だから病気にもなっちゃうんだろう。
詞も書けちゃうし、稀代の唯一無二のメロディーメイカーなんだけども、だからこそ手を抜けと。
ま、でも無理でしょうね。
それができるなら、ああいう楽曲と詞は生まれてこない。
こういうのもライブを見てのあらためての発見。

で、4人が4人とも全身全霊だったら、見てるこっちも疲れてきちゃうところ、他の2人がちょうどいい肩の力の抜け加減に見えた。
いい感じで他の2人を支えていると。
(で、その2人がミスチルの原型というのだからおもしろい)

よく聞くのが桜井さん以外は誰がやっても一緒、という意見だけど、ことここに至って、やはりこの4人じゃなきゃダメなのだということが分かりました。
第一、そりゃいろいろあっただろうけれど、バンドとして30年間(デビュー前からだともっと)ずっと同じメンツで続けられていることがやっぱり奇跡でしょう。
筆者の場合は、ちょうど’80後半〜’90年代のバンドブームの頃から数多のバンドの解散→復活なんかを目の当たりにしていると、30年続けてることと、ただ続けてるだけじゃなくてずっと第一線ということが、もう凄いんだなと、そう感じるわけです。

7万人なんて目じゃないくらい、もうこれ以上の会場は東京競馬場くらいしかないくらい超巨大な会場の隅々にまで、この日もその演奏を届けたミスチルさん。
響いてない人はいなかったはず。
ちなみにそんな巨大会場だけど思ったより音質は良好。
そして画面演出もどんどん進化してる。
新宿にあるような3D広告に使われてるような演出も使われ出したりしたら、ライブももっと変わっていくだろう。
そして、野外ライブはやはり気持ちいい。
雨はライブが終わって降り出したけど、降ったら降ったで全然良かったくらい。

相変わらずマスクは付けたままで、歌っちゃだめ、拍手のみ。ってことだったけど、逆にマスクで口隠されてるし、歌ってへんやつなんていてへんやろ!という状態。
筆者は30年分、ありがとう!の拍手をずっと送っておりました。
まだまだ、50年へ向けて、そのままで。

「アンコール!」も声を出しちゃだめなので皆スマホのライトを振る。
これがまた綺麗。

ひっそり置かれていたけど、気づいた人少ないんじゃなかろうか。

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Writer:オーシャン

コラムニスト:オーシャン幼少の頃より音楽を始めとしたあらゆるエンターテインメントに触れる機会を持つ。学生時代はフュージョン系サークルにもプレイヤーとして所属。→ [ 詳細 ]

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