幼少の頃より音楽を始めとしたあらゆるエンターテインメントに触れる機会を持つ。学生時代はフュージョン系サークルにもプレイヤーとして所属。→ [ 詳細 ]
2012年10月17日 水曜。
aiko Live Like Pop Vol.15 at NHKホール
去年7月のaiko Live Like Pop Vol.14以来、約15ヶ月ぶりのaikoライブ。
って、もう前回からそんなに経ったのか。。。
<セットリスト>
1.Aka
2.白い道
3.シャッター
4.milk
5.冷たい嘘
6.リズム
7.向かいあわせ
8.雨は止む
9.天の川
10.ドレミ
11.キョウモハレ
12.メドレー
恋のスーパーボール
雲は白リンゴは赤
マント
ウミウサギ
キスする前に
花火
なんて一日
恋愛
こんぺいとう
ジェット
13.くちびる
14.クラスメイト
15.運命
16.be master of life
17.beat
—————————–
18.自転車
19.シアワセ
最近のaikoライブでは、こうして終了後に落語会の当日の演目よろしくセットリストを掲示してくれるので助かる。
7月〜11月末までに至る今回の長いライブツアーに於いては、セトリを2種類用意しているようで、
今回のNHKホール17日、18日2連チャンも微妙にセトリが違う。
例えば、7曲目の「向かいあわせ」か「横顔」か、だったり。
16曲目の「be master of life」か「帽子と水着と水平線」か、だったり。
2000年12月のLove Like Pop Vol.5以来見てきた者としては、はやVol.15まで来たか、と感慨深い。
そしてもはやaikoも師匠、とは言わぬまでもお姉さん。
ライブ巧者。
長けたものである。
もちろん、ツンと構えるでなく相変わらず低姿勢であり、
毎度書いているように客と会話し、いじりまくるため、
ホール全体が新宿末広亭状態なのであるが、
ライブ巧者になってきているだけに客との会話の受け流しが上手いし、いい意味でお姉さん目線で客と会話するようになっている。
(そりゃあ、aiko姉さんももうすぐ37歳ですもの)
ド平日だがさすが東京、NHKホールは超満員札止め。
今回僕が思ったのは、あんまり新規の顧客を相手にしていないな、ということ。
もう手練のaikoファンを相手にしたライブに感じた。
それはセットリストを見ても分かる。
シングル曲を歌っていないではないが、恐らく誰しも知っているであろう曲というのはメドレー内の「花火」くらいではなかろうか。
(僕がaikoをよく聞いているので感覚が麻痺しているかもしれないが、多分そう思う)
でも、それでいい。
この多様化の時代。個人個人が好きな音楽を聴く時代。CDが売れなくなった時代。
従来からのお客様を、そして新作CDを身銭を切って買ったお客様を大事にすべきなのである。
もちろん新規顧客を大事にしないでいいとは思わんが、そっちに目が行き過ぎて、ずっと見続けている客をおろそかにする方がよろしくない。
ま、もちろんaiko本人はそんなこと思ってないだろうけど。
そんなわけで、ライブは最新アルバム「時のシルエット」からの曲を中心に進行していった。
アルバム発売時には例によってテレビに出まくり、
アルバムから「くちびる」を頻繁に演奏していたが、
寧ろ本アルバム中屈指の名曲は「Aka」に止めを刺すと個人的に思う。
その「Aka」からライブはスタート。
他にも「白い道」「自転車」などなど、新作も世間には知られぬ名曲ぞろいだ。
(ちなみに今回のアルバムは「私はあなたにどう見られているの。。。」という雰囲気の曲が多い)
で、そんな曲たちを聞き入る客。
もちろんノる所はノるし、盛り上がるのだが、既存で手練の固定客になってきた安心感もあるのか、
ムリからノせようという感じは見受けられない。
それがむしろ良かった。
圧巻は、最近恒例の弾き語りコーナー。
最近のライブでは当たり前になってきているが、客から6つのお題をもらってその場でそのお題を入れて弾き語るというもの。
「ざこば・鶴瓶らくごのご」の歌バージョンである。
これにはほとほと感心する。
「らくごのご」は、3つのお題で即興で落語を作るというもので、それはそれはちゃんと話を作らなきゃならないし、オチも成立させなければならない難しさもあるが、6つのお題でその場でそれなりの詞をつけて、オチはなくても曲として成立させるのは、むちゃくちゃ難しい。
「らくごのご」の時は、お題が決まるにつれていろいろ考え出して無口になっていた鶴瓶師匠とざこば師匠だったが(司会は別にいた)、aikoの場合はキーボードに向かう直前まで自分で客と会話して、喋りまくったあとに弾き語りだすから大したものである。
ちなみにこの日のお題は「ハロウィン」「おそろい」「乱視」「ips細胞」「バトミントン」「別れ話」の6つ。
これらを使ってその場で詞と曲を作るんでっせ。どないやねん。
しかも、恐らくaiko本人はips細胞がどんなんか分かってない感じがしたので、そんな客のムチャ振りにもムリとは言わず、なんとかしちゃうのは、さすがプロの姉さんである。
即興演奏が終わったあとは、これまた名曲「キョウモハレ」をギターとデュオ。
その前の即興演奏でのお題「別れ話」を出したカップルが、その日のライブを持って別れる(!)という衝撃話のあとだったので、余計に染み入る選曲となった。
(aikoもその他の客もこの別れ話には仰天し、考え直さないの?と皆で聞いたりしていたが、意思は固いようだった)
バンドメンバーはいつものメンツ。
フッシーさんのトランペットもaikoとは長い。サックスはサークルの後輩の庵原氏。
ドラムはもはやaikoのツアーメンバーとしても欠かせなくなった佐野康夫さん。
佐野さんがいることでホンマに演奏が引き締まるんよなぁ。
今や数少ない、CDを売ってくれる希少なアーティスト。
相も変わらずグッズ売り場は30分くらいは待つという売れ行きっぷり。
それもそのはず、それぞれのグッズが凝っているし、
プログラムも3千円するけれど、このボリュームなら納得!というボリューム感と読み応えがあるのだ(しかも今回のプログラムはなぜか北区赤羽にaikoが出没している模様が。。。)。
新年早々には久々のアリーナツアーも決定したようだし、ますますパワー全開。
固定客をきっちりしっかり自分のモノにしている安定感を感じさせるライブだった。
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