幼少の頃より音楽を始めとしたあらゆるエンターテインメントに触れる機会を持つ。学生時代はフュージョン系サークルにもプレイヤーとして所属。→ [ 詳細 ]
2012年10月10日。
John Scofield Trio featuring Steve Swallow & Bill Stewart Live at BlueNote Tokyo 2012
ジョン・スコフィールド・トリオ
featuring スティーヴ・スワロウ & ビル・スチュワート
John Scofield(g)
ジョン・スコフィールド(ギター)
Steve Swallow(b)
スティーヴ・スワロウ(ベース)
Bill Stewart(ds)
ビル・スチュワート(ドラムス)
<セットリスト>
1.FINAL BLUES
2.EVERYTHING I LOVE
3.GREEN TEA
4.EIDERDOWN
5.SOMEONE TO WATCH OVER ME
6.LOST AND FOUND AND IN BETWEEN
7.MUSEUM
8.OVER BIG TOP
・アンコール
9.HITTIN’ THE JUG
ジョンスコを見るのはブルーノートでは初めてである。
そしていつぶりかと言えば、記憶する限り’96年のライブバイザレイク河口湖以来。
その時もハービーハンコックのバンドの一員としてだったから、リーダー名義としては初になる。
スティーブスワロウは、2006年5月のブルーノート東京、ゲイリーバートンバンドで見て以来。
この時はサイドメンがパットメセニーとアントニオサンチェスという豪華メンツ。
ビルスチュワートは’99年12月のブルーノート東京。パットメセニーの初ブルーノートライブの時以来だから、もう13年も経つ。
この時のメセニートリオは、もう何度も何度も見てきたブルーノートのライブの中で、今でも指折りのライブ。
さて、ジョンスコである。
僕の主観からすると、ジョンスコってつかみ所がない。
ハッキリ言うと僕が好きなギタリストというわけでもない。
(だから今まであんまり見て来なかったということもある)
恐らく僕は、パットメセニーしかり、マイクスターンしかり、或いはタルファーロウしかり、ウエスしかり、
流麗/メロディアス/リズミカル/黒さ、こんな所が好きなんだろう。
ジョンスコさんは、“間”で弾くタイプだ。
そして、その“間”のあとに音を置いていく。
ポポポンッっと音を置くのでなく、ネチャ〜〜と置く感じ。
ブルージーでもあるのだが、完全なる白人さんなので、いわゆる黒人が血の底から醸し出す黒さは無く、それがまた独特のジョンスコらしさに繋がる。
で、そんなに好きくはないんだけれども、たまにとんでもないホームランをかっ飛ばしてくれることがある。
’80年代後半グラマビジョンレーベル時代のデニチェンを起用した作品群は今でもよく聞いているし、
’90年代後半、ジャムバンドシーンに殴り込みをかけて、メデスキ、マーティン・アンド・ウッドと共演した「A GO GO」内の「HOTTENTOT」なんかは、ずっとヘビーローテーションで聞いている。
そういう意味では、フェイバリットアーティストであるメセニーよりも、曲単位の再生回数では多いかもしれない。
僕にとってはなんとも不思議なアーティストである。
さて、そんなジョンスコが、’99年のメセニーライブでそのテクニックに仰天したビルスチュワートをドラムに従えてやってきてくれたので見に行かぬわけにはいかん。
3人とも完全なる白人さんのバンドである。
ビル、本日も圧倒的なテクニックで魅了してくれた。
タム1個、フロアタム2個、シンバルは3つというコンパクトなセッティングながら、ダイナミクス溢れるドラミング。
こういうのはホンマに真似できまへん。
ジョンスコとお爺ちゃんスワロウ相手だったので、変拍子ドラムソロは抑え気味。
スワロウお爺ちゃん。72歳。
ベースを持っていなかったら、本当にお爺ちゃん。
眉毛も白髪で、村山富市ほどに長く、メガネに毛が付くほどだ。
そしてベースを腹の上で支えつつ、峠の釜飯売りのように持って弾く。
お爺ちゃんなのだが、出てくる音はゴリゴリと強靭で、もの凄く推進力がある。
ジョンスコ、僕的には本日はホームランは無し。
でも、熱狂しているリスナーがたくさんいたから、上記した“ジョンスコ風味”が好きな人にとっては、たまらないひとときだったろうと思う。
楽しいとかアツいとか、そういうのではなくて、
職人3人が音楽を創っている、そんなライブでした。
セッションしているようでいて、こういうのはそんじょそこらのミュージシャンには醸し出せない味があるんよね。
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