Live鑑賞 〜 aiko Love Like Pop Vol.17 Live at 中野サンプラザ

2014年9月5日。

aiko Love Like Pop Vol.17 Live at 中野サンプラザ





去年の1月、Love Like Pop Vol,15.5 at 横浜アリーナ以来1年半ちょいぶりなのだが、去年行われたデビュー15周年記念の一連のツアー Love Like Pop Vol.16を見れていないので、実際にはかなり久々の感がある。


<セットリスト> (前半) 1.明日の歌 2.二人 3.beat 4.愛の病 5.瞳 6.横顔 7.サイダー 8.卒業式 <ピアノ弾き語り&即興お題曲創りコーナー> 9.「何もかもつながらない」 (お題 ケンカ/成人式/新幹線/ドリフェス/幕の内弁当食べました/腱鞘炎) 10.テレビゲーム 11.あなたを連れて (後半) 12.Smooch! 13.染まる夢 14.舌打ち 15.遊園地 16.相合傘 17.ジェット 18.君の隣 (アンコール) 19.透明ドロップ 20.距離 21.赤いランプ





中野サンプラザは2006年11月のライブ(その時の当ブログ)ぶりだそうだ。
どういう事情か分からないが、ここ最近は首都圏ではだいたいNHKホール、追加公演だと横浜アリーナが主戦場だったaikoが少し小さい小屋で今回中野サンプラザを会場にしたところチケットがプレミア状態になってしまったという。


僕も久々の中野サンプラザだったが、なるほど、確かにこじんまりとしている。
だからライブにはちょうどいい大きさなんだろう。
ロックやポップスに限らず、僕の得意とするJazz系でもマイルスデイビスがその舞台に立ち、ハービーハンコックが「Actual Proof」で名演を生んだこのホールもいよいよ解体だそうである。


五輪へ中野変身 サンプラザ解体、駅ビルも誕生


中野駅前のランドマークであり、数多のアーティストに親しまれてきたであろうこの建物がなくなってしまうのは一抹の寂しさもあるけれど、恐らくまた新たなホールが出来ることでしょう。
その時もいい感じのこじんまり感、観客との一体感が出るホールであってほしい。





ホール内




閑話休題。
さて、aiko女史である。
群雄割拠の業界においてなんだかんだで10数年最前線の1人。
もはやベテランさんになってきた。固定客も十分いる。
僕が最初に観たのが2000年のライブで、その頃はこのクラスの会場の盛り上げ方に試行錯誤感が見られたけれど、この日の本人のMCからも垣間見えたがこの大きさが「小さい」と感じられるほど、盛り上げ方にいい意味での「慣れ」がみられる。
(もちろん、本人は中野サンプラザを「小さい」とは言ってないけどね。8年前のライブの時は盛り上げられなくて悔し涙を流したそうだ。見ていたこちらとしてはそんな事は感じなかったが。)
そりゃそうだ。aikoの「男子!」「女子!」「そうでない人!」「メガネ!」「コンタクト!」「レーシック!」……などに代表される呼びかけ方、盛り上げ方を追従するアーティストが多々なのだから(Perfumeしかり、いきものがかりの聖恵さんしかり、、、)。
この日のライブも手慣れたもの、のようにみえた。


今回のライブに関しては、固定客用な感じも見える。
セットリストを見ても分かるように誰もが知ってるaikoの曲はほぼ入ってない。
先日発売されたアルバムからが中心で、その実「ジェット」にしろ「相合傘」にしろ「赤いランプ」に「愛の病」など、往年のファンは喜ぶ構成になっている。
往年のファン、、、そう、今日見た感じ、当たり前だがファンも皆、歳をとってきているよねぇ〜〜。
客層が高くなりつつある。
そんなファンたちは、昔の曲を聞くとそれだけでその当時を思い出したりして泣いたりしている。
ご多分に漏れず、僕もウルッときたりするから困ったもんである。


個人的にはこの日、今ツアー初歌い出しだったそうだが弾き語りで聴けた「テレビゲーム」が白眉。
あとは「Smooch!」がいいですね。


先日発売されたアルバムは、歌詞の量がラップのように多い。
歌いたいことは全部書く、という風にシフトしたからだそうだが、前々から聴いているファンには聴きにくい部分もあるかもね。
相変わらずのaiko節ではあるねんけどね。


ここ最近のライブでは恒例の「客からお題を6つ貰って、即興で作詞作曲するコーナー」も健在。
2階席だろうが何だろうが客と対話しながら進めていく“新宿末廣亭状態”も変わらずで、まさに落語家よろしく即興で落語ならぬ曲を創りあげる能力は毎度仰天する。
(本日のお題 ケンカ/成人式/新幹線/ドリフェス/幕の内弁当食べました/腱鞘炎)
ただし、今日は「腱鞘炎」だけが上手くつながらず、だったけどね。
その昔桂ざこば師匠と鶴瓶師匠の「らくごのご」の中ではお題を貰うたびに黙って考えてしまう二人の姿が見られたが、aikoの場合、考える時間も殆どなく、普通に喋りながらそのままピアノを弾き出すからスゴいとしか言いようが無い。


正直に言えば、僕自身は今回のアルバムもあまり聞き込んではいないし、普段からよく聴くというわけではない。
だからこそ、と言っては何だが、aikoはライブを愉しむアーティストになりつつある。
aikoの歌詞は女子の気持ちを歌ったものが多いから、僕なんかはハマらないものが多いのだけれど、ライブで聞くといいんだわコレが。
ウルッとくるのだわ。
ライブで聴いて曲の良さが分かる、というかね。
これは今の時代のアーティストの理想形の一つですね。


さて、バンドメンバーもいつものメンバーで、皆オッサンになりつつあって、でもパワフル。
ただし、サックスが庵原良司氏から変わっていたのは何かあったのか?今回だけか?
佐野康夫氏のドラムも変わらずのしなやかさ。
カノウプスドラムがいい鳴りをしている。


今回のツアーは全国津々浦々をまわり(ついに我が故郷、三重県にも初上陸)、固定ファンとの繋がりを強めるライブ、という感覚が強かったけれど、追加公演はアリーナになって、新規顧客を増やす選曲になるかも、ですね。


最後に一つ、レコード会社にしてみればCDを売り上げてくれる最後の砦の一つのようなaiko。
でもさ、時代の趨勢に合わせて、ええ加減itunesでも売り出したら??と思わざるを得ない。
ごくごく一部の曲しか買えないんだもの。
誰の利権か知らないが、時代の流れとファンへ向けて仕事をして欲しい限りである。


むしろメタリカさん、レッチリさん等々同様、その都度ライブをどんどん配信していけばいいくらいだ。
ファンは身銭を切ってでも買うと思うが。。。

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Writer:オーシャン

コラムニスト:オーシャン幼少の頃より音楽を始めとしたあらゆるエンターテインメントに触れる機会を持つ。学生時代はフュージョン系サークルにもプレイヤーとして所属。→ [ 詳細 ]

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