幼少の頃より音楽を始めとしたあらゆるエンターテインメントに触れる機会を持つ。学生時代はフュージョン系サークルにもプレイヤーとして所属。→ [ 詳細 ]
2014年9月7日。
Fourplay Live at BlueNote Tokyo
Fourplay
フォープレイ
Bob James(p,key)
ボブ・ジェームス(ピアノ、キーボード)
Chuck Loeb(g)
チャック・ローブ(ギター)
Nathan East(b)
ネイザン・イースト(ベース)
Harvey Mason(ds)
ハーヴィー・メイソン(ドラムス)
<セットリスト>
1.DECEMBER DREAM
2.CHANT
3.BLUES FORCE
4.AVALABOP
5.CHAMELEON
6.LI’L DARLIN’
7.3RD DEGREE
8.BALI RUN
EC.1 MORE THAN A DREAM
EC.2 WESTCHESTER LADY
Fourplay。実は初見である。
これだけ長いバンドで、毎年のようにブルーノートにも来ていて、フュージョンなのに、初見である。
もうこれは好みとしか言いようがない。
僕はフュージョンは好きだし、フュージョンを演奏するサークルにも入っていたけれど、例えば日本のがっちりカッチリしたフュージョンバンドはほとんど聴かない。
Fourplayも何と言うか誤解を恐れずに言えば「キレイすぎる」のだ。
統率が取れすぎているというか。
僕はもっと黒くて、雑多で、Jazz寄りの人間臭さのある音楽が好みらしい。
で、このバンドの場合、大方のそれはボブジェームスに要因がある。
これはデビッドマシューズ率いるMJQ(マンハッタンジャズクインテット)やMJO(マンハッタンジャズオーケストラ)にも言えるのだが、統率が取れ過ぎている音楽は、どうにも面白みに欠けるのである。
ボブジェームスが語ったとされる言葉「フォープレイは、フュージョン版モダン・ジャズ・カルテット(MJQ)を目指している。室内楽的な、落ち着いたサウンドを表現したいんだ。願わくば、MJQのように長く続けたいね」。
まさにその通りで、MJQもピアノのジョンルイスがクラシックを融合させたようなJazzをその統率力で体現していた。
あのバンドもバイブのミルトジャクソンが単体で自身のコンボや他のゲストでライブに出たり、ミルト個人のアルバムを聴くともっと真っ黒でブルージーなサウンドになっていたわけだから、いかにMJQが一体型のコンボだったかが分かるというものである。
Fourplayの面々とて、それぞれがそれぞれ個人のアルバムやゲストだと別の個性が出てくる。
だから良くも悪くもボブジェームス率いるバンドだからなのだなぁ〜〜とライブを見てよくよく分かった。
人種で分けるのもナンセンスだが、白人2人、黒人2人の編成。
黒人、であるネイザンイーストとハービーメイソンが、黒人でありながらこうした均整の取れた音楽に付いてこられる人材なのだろう。
であるならば、僕のフェイバリットアーティストであるパットメセニーの音楽こそ均整取りまくりじゃないか、と批判の一つもでそうだが、何というかメセニーにしろあるいはミシェルカミロ等々の中南米の血が入っているアーティストの曲調とかバンド/グループっていうのはバンドの色合い的に同じ「均整」であっても自由度が高い雰囲気があるのよね。
これは果てしなく空の向こうへ突き抜けていくような明るさのある曲調というかね。
そういう曲調の空間的なものも関係がありそうです。
と、フォープレイ批判のようになっているけれど良いものは良い。
例えば代表曲である「Bali Run」や「3rd Degree」なんかは僕は大好きな曲である。
これらに関してはよく聴いてもいる。
これらを聴きに行ったようなものだから、本編最後の「3rd Degree」からの「Bali Run」は最高。
「3rd Degree」なんかはかなり高速でやるからいい塩梅。というか、年齢でいったらみんなそこそこいい歳のおじいちゃんなのに元気元気。楽器弾かせたらどんな高速でもやれちゃう。
あとはこのバンドにしては異色の曲と言うべきか、まさにこのバンド出演前の木曜日に1日だけクラブギグを行い、この日は東京Jazzで演奏したハービーハンコックの「カメレオン」を演奏してくれた。
ドラムのハービーメイソンこそがアルバム「カメレオン」のオリジナルメンバーであり、このほどカメレオンバンドリュニオンも結成したくらいだから演奏したのであろう。
これまたFourplay風カメレオン、なんだけどね。
好みの問題はあるとはいえボブジェームスの創る曲は聴きやすいから誰でもスッと入っていける。
そしてネイザンイースト先生のノリノリで明るいMC。
ステージングも計算されているし、ソロ回しも分かり易い上に圧巻。
ネイザンイーストやチャックローブは歌える(と言っても楽器としてのヴォイスだが)から、そういう意味でも取っつきやすい。
だから、毎年のように来日していても、近くで東京Jazzが開催されていても、今宵もお客さんで満杯であった。
そういう意味ではブルーノート初心者にはもってこいのライブ。
であるし、デートにも向いている。
まかり間違っても先日のジャックディジョネットのライブなんかを初めての女の子とのデートで連れていかないことだ。
一発でフラれそうだ。
最後にドラムのハービーメイソンについて少し。
二度目くらいかな、観るのは。
ちょっとソロ回しの時にミスるシーンが散見されたけれど、細やかなビートは変わらず。
(だって67歳ですよ。それでアレだけ叩けるのは驚異ですよ。誕生日は僕と同じ2月22日というどーでもいい情報を付記しておく。)
カノウプスドラムがエエ鳴りをしておりました。
特筆すべきはシンバルで、Murat Diril(ムラートディリル)というトルコのメーカー。
日本において使ってるミュージシャンを見るのはかなりレア。
僕も音を聴くのは正直初めて。でもね。ジルジャンとパイステの合間くらいの僕的にはとても好きな音色でした。
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