幼少の頃より音楽を始めとしたあらゆるエンターテインメントに触れる機会を持つ。学生時代はフュージョン系サークルにもプレイヤーとして所属。→ [ 詳細 ]
2013年1月20日 日曜。
aiko Live Like Pop Vol.15 add.at 横浜アリーナ
去年7月以来長らく続いたaikoの全国ツアー、の延長戦。
アリーナツアー。
<セットリスト>
1.ジェット
2.白い道
3.猫
4.Power of Love
5.より道
6.ココア
7.くちびる
8.Aka
9.傷跡
10.二時頃
11.カブトムシ
12.ぬけがら
13.運命
14.相合傘
15.キスする前に
16.be master of life
17.クラスメイト
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18.自転車
19.桜の時
20.beat
横アリは2007年以来5年ぶりである(前回の横アリは祖父が亡くなり行けず。。。)。
個人的にはaikoにはアリーナはデカ過ぎると考えている。
aikoが小さいから、とかいうワケではなく(それもなくはないが)、
彼女自身はその小こい体から発するエネルギーを全開にして走り回ってくれるのであるが、
それ故にサービス精神旺盛な彼女にとって“広すぎる”と思うのである。
例えば、ホールやライブハウスでは
僕がここでよく書く新宿末広亭状態(客との対話を目一杯行う)になるのだが、
アリーナではさすがにそこまで対話はできない。
客も必死でaikoに話しかけてもなかなか伝わらない。
ステージがショー仕立てのド派手な演出があるわけでもなく、
曲をやってaikoのMCといういつも通りの展開だろうし。。。
と考えるとアリーナはデカい。どうなるのだろうという気持ちでライブに臨んだ。
果たして、、、前回のアリーナから数年間に新たに出てきたであろう、
アリーナでの演出技術を詰め込んだライブを目の当たりにすることとなった。
ライブプロデューサーの腕が存分に発揮されたというべきか、
アリーナでしかあり得ない演出効果がたくさんであった。
僕は他のアーティストのアリーナツアーにガンガン行っているわけではないので、
他のアーティストの演出方法の中ではもはや既に当たり前の技術もあるのかもしれないが、
僕としては新鮮に映ったわけである。
旧来からのよくある演出としては、、、
・アリーナ中央にセンターステージ
・そのセンターステージへ向かって舞台から花道とセンターステージから最後方まで花道
・花道両脇には照明
・舞台両脇からサイドへ花道
・ステージ中央とサイドにビジョン
・センターステージはせり上がり可能
・ライブ終盤戦での金銀テープ発射
などなど
そして、aikoのライブでは初登場となったのが(僕も初体験)、
入場時に全員に配られるザイロバンド。
これは内蔵されたLEDライトが曲に合わせて発光するリストバンド。
色は赤・青・緑・白と4色。
これが恐らく客席のオペレーター席からの遠隔操作で発光したり消えたりする。
特定の色だけを発光させることも可能。
もっと言えば、曲の1、3拍目を赤白、2、4拍目を青緑、という発光のさせ方も可能。
調べたところ、コールドプレイが導入して話題となり、日本ではUVERworldが去年初めて
導入した演出みたいだから確実に数年前にはなかったものである。
これが2万人強の腕に付けられて発光する様は圧巻の一言。
ペンライトとはまた違う、時代に沿ったものであり、客の腕を演出効果として使うという手法だ。
(ただし、発光しない、消えない、などの不具合が其所此処であったのはご愛嬌)
あとはCG技術の向上は言うまでもないが、
紅白歌合戦でも見られたようにステージビジョンとの連動の仕方も最新のものだったし、
個人的に綺麗だと思ったのは、
センターステージの天井から細かいLED電球がいっぱい降りてきた演出。
色の変化はもちろん、形が細かく変化できてステキやん、である。
と、ここまで演出について長らく書いたのは、
今回のライブはこの演出に尽きるような気がするからだ。
演出の実験をしていた、と言ってもいいくらい。
ライブは照明だの格言ではないが、
これだけ色々と演出効果があったお陰で余韻がハンパないのである。
前回10月のNHKホールももちろん良かったけれども、その時よりも余韻が大きい。
これは一重に演出効果が一役買っている。
そしてここまで実験できるのは、
もう確実にaikoには固定客がしっかりと存在しているからこそ、の部分が大きい。
最近のaikoライブは、もちろん盛り上がりはするけれども、
aikoも15周年を迎え、客もそれ相当に歳をとり“楽曲を味わう”姿勢が出来つつあるように感じる。
なにせセットリストを見ても分かるようにアリーナツアーで15周年やっちゅうのに
シングル曲は「カブトムシ」と「桜の時」の2曲だけである。メドレーすらなし。
紅白や年末の歌番組でも頻繁に歌われた「くちびる」はあるにせよ、これとてアルバム曲。
カップリング曲が多かったが、それも固定客向けと言える。
aikoに限らずカップリング曲こそそのアーティストの真髄と考える。
ご他聞に漏れずaikoにもカップリングに一般に知られざる名曲が多い。
これらカップリング曲に始まり、
「ジェット」や「傷跡」「二時頃」などの古参も喜ぶ曲が網羅されていて、
一見さんよりも固定客をより固定させる方向性に向かっているのではないかと感じた。
と、言っても一見さんにもあれだけの照明演出があれば楽しめはするだろう。
あとは、せっかくストリングスセクションをゲストで呼んでいるのだから、
もう少し活用して欲しかったところ。
もっとストリングス入りで楽曲を聴きたい。
個人的に今日イチは、アンコール一曲目「自転車」かな。
あとはカップリング名曲「ぬけがら」を生で初めて聴けたのも嬉し。
もう1点ドラマー目線で言うと、
ホールではなかなか佐野康夫さんのドラムを横方向から見ることは難しいけれど、
今回はたまたま横方向から見れる席だったのでじっくり手元を見ることが出来たのも嬉し。
佐野さん、相変わらず最後の曲まで波打つようにパワフルに叩く。
この次の日は高円寺Show Boatっちゅう小さなハコでやるという変わり身。さすが。
当初僕は、さすがに今回のアリーナは集客に苦戦するのではないかと考えていたけれど
蓋を開ければ超満員で立ち見も出ていた。
僕の中でのもう一方の雄、キリンジは今年15周年をもって実質的に解散するけれども
aikoはますます邁進しそうである。
会場には数多くの花が。 aiko本人も言っていたが、
サンドウィッチマン⇒いとうあさこ⇒acid black cherry⇒石川さゆり⇒さくらももこ
てどんな並びやねん。
超蛇足だがあと一点、東横線菊名経由で横浜アリーナへ向かう場合、
菊名から横浜線で新横浜へ行き、そこから歩くのが常道だが、
僕の場合は菊名から直接横浜アリーナまで歩く。
そこまで本数のない横浜線を待って、混んでる電車を一駅乗り、
さらに新横浜から人間の渋滞の中を少し歩くことを考えれば、
菊名から歩いても時間的には大差ないかヘタすると早く横浜アリーナへ到着する。
なにより歩く人が少ないので、気持ちが良い。
ケチくさいことを言えば、菊名ー新横浜間のJR分の別料金を払うこともない。
スマホを持ってるなら今の時代、
迷うことなく横浜アリーナへ到着すると思うので試してみてはいかがかと思う。
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