Live鑑賞 〜 aiko Love Like Pop Vol.20 Live at NHKホール

2018年6月24日。

aiko Love Like Pop Vol.20 Live at NHKホール


<セットリスト>
01.ストロー
02.帽子と水着と水平線
03.あたしのせい
04.夜空綺麗
05.くちびる
06.二時頃
07.雨フラシ
08.陽と陰
09.Loveletter
10.だから
<弾き語り>
番外.会話の中でカブトムシをワンフレーズだけ披露
11.鳩になりたい
12.大切な人→弾き語りここまで
13.格好いいな
14.恋の涙
15.ドライブモード
16.予告
17.夢見る隙間
18.ハナガサイタ

-アンコール-
19.うん。
20.君の隣
21.milk

実に2014年9月5日 中野サンプラザ以来、3年9ヶ月ぶりのaikoライブ。
2000年12月にaikoが初めて渋谷公会堂(現在絶賛建て替え工事中)でライブを行ったLove Like Pop Vol.5から、東京でのライブはほぼ全部を観てきたが、前回のLove Like Pop Vol.17から初めて間が空いてしまった。
で、気付けばVol.20。

そう、aiko姉さんも、あっという間のデビュー20周年なのである。

で、20周年記念全国ツアー第一弾のNHKホール2daysの2日目。
(初日、2日目があるライブはメニューが若干違う)


個人的には3年9ヶ月間が空いて、ライブパフォーマンスがどのように変化しているかに注目であったが、結論から言えば「歌を聴かせるライブ」に少しシフトしたかな、という印象。

というのは、定番の弾き語りコーナーはあるのだが、ここで以前は客からお題を5つ集めて、落語でいう即興噺ならぬ「即興5題弾き語り」という難易度の高いことを披露していたものがそれが無くなったし、バンドメンバー紹介も毎回ラスト前2曲あたりでその日のお題(「夏の曲」とか「クリスマスの曲」とか)をaikoが出し、メンバーがそれに応じてソロでお題に沿った曲を弾く、ということをやっていたが、これも無くなっていた。

筆者の推測だが、おそらくそれらをやっていると「膨大に時間を食う」からではないか。
もともと客席と一体感どころか、客と会話しまくり、再三このブログで書いているようにどれだけ広い会場でも新宿末廣亭状態となるaikoライブ。
客からお題を貰っている途中で客と話し倒す。
5題集めて唄うだけで30分くらいかかってしまうのだ。
バンドメンバー紹介もしかり。1曲に30分くらいかかってしまう。

筆者的には「エンターテインメント」としてそれは全然OKだし、その最高峰があまりにも面白いMCだけでCD化してしまうさだまさしさんのコンサートだろうが、オーディエンスの好みも様々で、20年分も曲があるのだから「曲をもっと聴かせろ!」という要望もあるのかもしれない。
(もちろん、単純に時間が押していくことで会場側から文句を言われるという可能性も大)

どんなアーティストや、それこそ評論家や政治家の講演会でも見受けられることだが、客に喋らせると空気を読まずに延々と自分のことを喋ったり、質問が整理されていないがために時間を取る、、という事象がある。
aikoの場合はサービス精神旺盛だし、関西のノリでそういった客を上手に裁く、ということを今までやってきたけれども、会場によっては上手くいかないこともあったろう。
そのあたりの匙加減は難しいところである。

そうは言っても、それなりに今宵の広い広いNHKホールも十分末廣亭状態だったし、バンドメンバーのソロは「夢見る隙間」の時にジャジーな曲調に合わせて全員披露された。
ともすると、各楽器のソロなどまったくないアーティストのライブもあるだけに、楽器/ミュージシャンを大事にしてくれているaikoライブは筆者的には嬉しいものである。


また、MCの中でライブでは珍しく歌詞に言及するシーンがあり、本人曰く
「私はモノを知らない。だからこそ出来た詞や歌が数多く存在する」(筆者要約)
実際にaikoの歌詞はほとんど英語は出て来ないし、簡単な言葉ばかり。
「カブトムシ」もたまたま冬に幼虫が家にいて、夏の虫だということを知らなかった。だから冬に発売した。
「ナキ・ムシ」冒頭の歌詞「白い影が消えては映す」の「白い影」は加湿器の蒸気を見て書いた。
ということらしい。
見たもの、知っている単純なものだけで20年歌詞を書くというのもなかなかのことである。
この前のエントリーで書いたKirinjiの「非ゼロ和ゲーム」ではないが、語感やメロに合う言葉を詞にしていく堀込高樹氏とは真逆で、だからこそaikoはKirinjiのファンなのかもしれぬ、などと妄想したりする。


セットは最新アルバム「湿った夏の始まり」からが中心だけれど、超高速テンポの「帽子と水着と水平線」、他に「陽と陰」「鳩になりたい」と古めの曲を聴けたのは嬉しく、中でもやはり「二時頃」は何度聴いても泣ける。「くちびる」も珍しいところでありがたし。
(個人的にはもっと古い曲も聴きたいが。。。)
サビのコード進行が同じである「ストロー」と「MILK」で最初と最後にしてあるのは意図的?!?!

バックではどうしても佐野康夫さんのドラムを見てしまう。
今やJpopを支えるミュージシャンの一人で、かと思えばフュージョン系バンドで高円寺JIROKICHIあたりでのセッションにも積極的に参加する当代隋一のドラマーだ。
ビートが良いのは当たり前で佐野さんのスネアに合わせて手拍子を打っておけば間違いなく気持ちがいい。
今宵もカノウプスのドラムとジルジャンシンバルが気持ち良い鳴りをしていた。


とにもかくにも、客と近づきつつも歌を聴かせるライブへと少し変貌したaikoライブで、満足も余韻も多いにありはするものの、今までが満腹状態だっただけにコンパクトになった印象。
(すわ、aiko女史の年齢も関係するか?!)
20周年、年末までツアーは続くが、もう1発アリーナ会場あたりでデカい花火を打ち上げて欲しいところだ。
年齢など関係なしに、いつまでもaikoのままで、25→30周年へ、どう変貌するか見ものだ。


過去のライブ鑑賞ブログ(Love Like Pop Vol.10以降のみ)
Live鑑賞 〜 aiko Love Like Pop Vol.17 Live at 中野サンプラザ
Live鑑賞 〜 aiko Love Like Pop Vol.15 add.at 横浜アリーナ
Live鑑賞 〜 aiko Love Like Pop Vol.15 at NHKホール
Live鑑賞 〜 aiko Love Like Pop Vol.14 at NHKホール
Live鑑賞 〜 aiko Love Like Pop Vol.13 add at 代々木第一体育館
Live鑑賞 〜 aiko Love Like Pop Vol.12 at NHKホール 2010
Live鑑賞 〜 aiko Love Like Pop Vol.11.5 at 日本武道館 2008
Live鑑賞 〜 aiko Love Like Pop Vol.11 at NHKホール 2008
Live鑑賞 〜 aiko Love Like Rock Limited at Zepp Tokyo 2007
Live鑑賞 〜 aiko Love Like Pop Vol.10 add.at 横浜アリーナ 2007
Live鑑賞 〜 aiko Love Like Pop Vol.10 at 中野サンプラザ

ライブは物販が命

24日はaiko
25、26日はサザン
27、28日はヤマタツさんと、王道ポップスの連チャンだ、NHKホール


湿った夏の始まり[通常仕様盤]

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Writer:オーシャン

コラムニスト:オーシャン幼少の頃より音楽を始めとしたあらゆるエンターテインメントに触れる機会を持つ。学生時代はフュージョン系サークルにもプレイヤーとして所属。→ [ 詳細 ]

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