Live鑑賞 〜 KIRINJI Tour 2016 at 品川ステラボール

2016年10月30日 日曜。

KIRINJI Tour 2016 at 品川ステラボール


ステラボール外観


KIRINJI
キリンジ


堀込 高樹 / Takaki Horigome(Vocals,Guitar、笛、口笛)
コトリンゴ/ Kotringo(Vocals,Piano)
田村 玄一 / Genichi Tamura(Pedal Steel,Guitar,Vocals)
楠 均/ Hitoshi Kusunoki(Drums,Vocals)
千ヶ崎 学 / Manabu Chigasaki(Bass,trombone,Vocals)
弓木 英梨乃 / Erino Yumiki(Vocals, Gutiar, Violin)
[Support]
矢野 博康 / Hiroyasu Yano(Percussions,Computer Manipulator etc.)


<セットリスト>
1.fake it
2.今日も誰かの誕生日
3.だれかさんとだれかさんが
4.雲呑ガール
5.ONNA DARAKE!
6.The Great Journey
7.失踪
8.恋の気配
9.進水式
10.温泉街のエトランジェ
11.日々是観光
12.Witchi Tai To [Harpers Bizarre]
13.真夏のサーガ
14.水郷
15.あの子のバースデー
16.fugitive
17.涙のマネーロンダリング
18.Mr.BOOGIEMAN
19.Golden harvest
20.絶対に晴れて欲しい日
21.The Great Journey
ENCORE
1.P.D.M
2.うちゅうひこうしのうた
3.ネンネコ


フェイバリットJ-Popアーティスト、Kirinji。
新生なったキリンジ改めKirinjiとなってからは5回目のライブ参戦。
新生と言ってももう3年。4年目突入。
前回は昨年6月のビルボードなので1年4ヶ月ぶりである。


Live鑑賞 〜 KIRINJI PREMIUM 2015 at Billboard Live TOKYO


とにかく高樹さん、どこまで音とリズムで遊び倒すのだ??というのが第一印象。
この夏は2作目のアルバム「ネオ」も出し、目下絶好調と言っていいだろう。
高樹ワールドの音楽表現をやりたい放題にやりまくっている。
もともと上手いバンドなのだが、3年を過ぎて熟成状態であり、ますます今後も上手くなりそうだ。

「ネオ」の楽曲を中心に本編21曲、アンコール3曲となかなかのボリューム。

1曲め「fake it」はパットメセニーグループの「First Circle」ではないけれど、複雑な手拍子で雨音を再現した始まり。

Krinjiの定番曲となりつつある「だれかさんとだれかさんが」はライブで聴くたびにアレンジが違っていて、これまた演奏力の高さを見せつける。昨年のツアーではコーダ部分を6/8拍子で演奏していたが、今回は5拍子。底知れぬアレンジ力。

「ネオ」の中でも注目曲であるRHYMESTERとコラボした「The Great Journey」は、筆者自身も今年のヘビロテ曲だが、あの難曲を果たしてどう再現するのかと思いきや、スクリーンが降りてきてRHYMESTERの映像とともに演奏。
なるほどそう来たか、と感心していたら本編最後にもう1度演奏。
今度はラップ部分も高樹さん始め全員で再現。演奏力にもう唖然とするばかりである。
むちゃくちゃにカッコいい仕上がりとなっていた。
客席も含めて「満室〜〜、まんし〜〜〜つ」の大合唱である。

「失踪」「日々是観光」の「ネオ」収録2曲は、「ネオ」を製作するにあたりメンバーが曲を持ち寄って採用された2曲。
それぞれ作曲者である千ヶ崎 学さんとコトリンゴさんが歌う。千ヶ崎さんに至ってはこの曲でトロンボーンまで披露。
ふつう、バンドでベースはベースに特化させるものだが、千ヶ崎さんはエレキベース&アコースティックベース&トロンボーン&ボーカル&コーラスである。恐ろしい。
「日々是観光」は「ネオ」の中でも名曲の一つで、どこまでもコトリンゴ曲でありながら歌詞が高樹さんのため「わたし 今日は異邦人です」とコトリンゴに歌わせてしまう憎さ。

弓木ちゃんのボーカルは後半まで残しておき「あの子のバースデー」のボーカルと、そして「ネオ」の中でも耳について離れない「Mr.BOOGIEMAN」では可愛さ全開。彼女も相変わらずギター&ボーカル&バイオリンと八面六臂。
コトリンゴさんとはまったく違う魅力で、高樹さんは実に見事に右大臣と左大臣を手に入れたな、という感じ。

高樹さんももちろん見せ場はいっぱいあるわけだが自身の11年前(そんなになるか)のソロアルバム「HomeGround」から「涙のマネーロンダリング」を披露してくれたのは旧知からのファンにはうれしい限り。
キリンジ時代からは「今日も誰かの誕生日」「温泉街のエトランジェ」「Golden harvest」を披露。
中でもファーストアルバムのインスト曲「P.D.M」を演奏してくれたのは懐かしさで涙が出る。メインのメロディーは弓木ちゃんのバイオリンで。
どれも高樹色の濃い作品であり、泰行曲をやれとは言わないが、他のキリンジ時代曲ももっとKrinjiアレンジで聴きたいところ。

「うちゅうひこうしのうた」は坂本真綾さんの曲だが完全にKirinjiのものになってしまったと言っていいだろう(実際演奏回数はKirinjiが本人より多いそうだ)。コーラスが美しい。
新世代の風呂ソング=「黄金の舟」、台風ソング=「台風一過」、一人暮らしソング=「この部屋に住む人へ」と奇抜な一世一代ソングを作ってきた高樹さんだが「ネンネコ」は新世代ネコソングである。
これも歌詞が素晴らしい。

キリンジ時代と変わらず、特にこれといったパフォーマンスやMCもなく、とにかく楽曲のみでオーディエンスを楽しませる趣向。
開演前にサイリウムこそ配られたが特に何の説明もなく、客が好き勝手に点けていた。
キリンジライブサイリウム

全員が歌えて楽器が複数出来るだけに、まだまだ音楽表現は広がりそうで、今後生み出される楽曲群にも要注目。
高樹さんからはやっぱり目が離せない。


ネオ(初回限定盤)(DVD付)


EXTRA11

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Writer:オーシャン

コラムニスト:オーシャン幼少の頃より音楽を始めとしたあらゆるエンターテインメントに触れる機会を持つ。学生時代はフュージョン系サークルにもプレイヤーとして所属。→ [ 詳細 ]

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