Live鑑賞 〜 矢野顕子トリオ featuring ウィル・リー & クリス・パーカー Live at BlueNote Tokyo 2019

2019年8月23日。2nd Show。

矢野顕子トリオ featuring ウィル・リー & クリス・パーカー Live at BlueNote Tokyo 2019


Akiko Yano Trio featuring Will Lee & Chris Parker Live at BlueNote Tokyo 2019

矢野顕子トリオ
featuring ウィル・リー & クリス・パーカー


Akiko Yano(p,vo)
矢野顕子(ピアノ、ヴォーカル)
Will Lee(b)
ウィル・リー(ベース)
Chris Parker(ds)
クリス・パーカー(ドラムス)


<Set List>
1.いろはにこんぺいとう
2.when we’re in space
3.home sweet home
4.ゴジラ vs モスラ
5.Prayer
6.how can I be sure 【Rascals】
7.Reach out
8.tong poo
EC.1 Gasoline and Matches
EC.2 ラーメン食べたい


毎年恒例、8月ブルーノートの矢野顕子トリオライブ。
昨年結成10周年を迎えたこのトリオを見るのは2016年8月以来3年ぶり。
矢野さん自体は、同じ2016年9月に糸井重里さんとのコラボライブを見ているけれど、それでもやはり3年ぶりだ。
Live鑑賞 〜 矢野顕子×糸井重里 ふたりでジャンボリー Live at 新宿文化センター大ホール
Live鑑賞 〜 矢野顕子 Trio Live at BlueNote Tokyo 2016
そしてこのトリオになって初めてのライブ、つまり2009年のライブも見ているので、そこから10年を経て、そうでなくても音楽性の高い3人がどう進化を遂げているのかもチェックポイントであった。
Live鑑賞 〜 矢野顕子 Trio Live at BlueNote Tokyo 2009

今の時代に年齢の事を言うのも野暮ってもんだが、とにかく3人とも若々しい。
特にウィルはまったく変わっていない。
ノリノリの曲では飛んで跳ねたりしながらベースを弾く、そして、当たり前だがクリスも含めてジャストのタイミングで音を奏でる。
そして楽しそうに演奏するのも相変わらず。
だから見ているこっちも楽しくなる。

他のライブでは「誰か一人をずっと見てしまう」ということがままあるし、特に筆者の場合はドラムメインで見に行ったりしてドラム付近に席を陣取ったりするからメインの人が別の楽器であってもドラムをずっと見ていることが多いのだけれど、この3人に関しては終始目移りしてしまう。
で、それってライブを魅せる側としてはとても大事なことというか、ライブの理想形なのではないかと考える。
この領域までいくと、プロのさらに上の段階、とでも言いますか。

相も変わらず、3人とは思えぬ音圧。表現力。
これは以前から書いていることだが、ウィルがベースのみならず、ボーカルやブルースハープ、キーボードまで駆使してくるから、可能性が際限ないのである。
毎度のことながらとても音楽性豊かでクオリティが高く、楽しみつつも歌詞によっては涙が出てくるという、満足度の高いライブであった。

曲は例年以上?に矢野さんの有名曲というよりは、この3人だから発掘して演奏するような昔ながらの矢野曲であったりカバーであったりがメインの構成。
「Home Sweet Home」などは確かにバンドとしては初めて聴いたし、MCで本人も仰っていたように、あらためて聴くと素敵すぎる歌詞。
坂本龍一「Tong poo」のはもともと大好きな曲だが、矢野バージョンでバンドで聴けるとは嬉しすぎる誤算。
そして「男もつらいけど 女もつらいのよ 友だちになれたらいいのにね」だから、今日は、「ラーメンたべたい」でまた涙。

また、例年よりもウィルとクリスのソロが長めにフィーチャーされていたのも嬉しい所であった。
(アンソニー&クリフの「さとがえるトリオ」などはクリフソロがけっこう用意されていたけれど、クリスパーカーの長めソロは、それはそれで味がある)

今年、ニューヨークの自宅にあるスタインウェイも変えた(そして日本の人にあげて、そこに弾きに行った)エピソードはツイートもされて話題の矢野さんだが、今回のピアノもブルーノート常駐のスタインウェイではなく、ベヒシュタイン社のものを使用。
丸みのある音に聞こえた。
スタインウェイのエッジが利いた音も良いし、その方が矢野さんに合うという意見も全然分かるのだが、丸みのある音にシフトしていこうということだろうか。

クリス・パーカードラムセット
右側にもスネア。なにげにツインペダル。
最近はセットもいろいろ進化してきているね。

ジルジャンのシンバル群。一番右に乾いたパシャッという音をさせるエフェクトシンバルが。

さんざんライブを見てきて、どのアーティストもそれはもう素敵なのであるが、この3人に関しては「同時代にライブを体感出来てよかった」と心底から思えるアーティストである。
まだまだ元気で、また来年も帰ってきてほしい。

このブログに掲載している、過去の矢野さんライブ一覧。
Live鑑賞 〜 矢野顕子×糸井重里 ふたりでジャンボリー Live at 新宿文化センター大ホール
Live鑑賞 〜 矢野顕子 Trio Live at BlueNote Tokyo 2016
Live鑑賞 〜 矢野顕子 Trio Live at BlueNote Tokyo 2014
Live鑑賞 〜 矢野顕子 ソロ Live at Cotton club 2011
Live鑑賞 〜 矢野顕子 トリオ Live at BlueNote Tokyo 2010
Live鑑賞 〜 矢野顕子 Trio Live at BlueNote Tokyo 2009
Live鑑賞 〜 矢野顕子 & Marc Ribot Live at BlueNote Tokyo 2008
Live鑑賞 〜 矢野顕子グループ Live at BlueNote Tokyo 2007
Live鑑賞 〜 矢野顕子 Trio Live at BlueNote Tokyo 2006

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Writer:オーシャン

コラムニスト:オーシャン幼少の頃より音楽を始めとしたあらゆるエンターテインメントに触れる機会を持つ。学生時代はフュージョン系サークルにもプレイヤーとして所属。→ [ 詳細 ]

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