幼少の頃より音楽を始めとしたあらゆるエンターテインメントに触れる機会を持つ。学生時代はフュージョン系サークルにもプレイヤーとして所属。→ [ 詳細 ]
2015年6月28日 日曜。
渡辺貞夫 Quartet Live at BlueNote Tokyo
SADAO WATANABE
with special guest KENNY BARRON
featuring BEN WILLIAMS, ULYSSES OWENS Jr.
渡辺貞夫
with special guest ケニー・バロン
featuring ベン・ウィリアムス、ユリシス・オーエンス・ジュニア
Sadao Watanabe(sax)
渡辺貞夫(サックス)
Kenny Barron(p)
ケニー・バロン(ピアノ)
Ben Williams(b)
ベン・ウィリアムス(ベース)
Ulysses Owens Jr.(ds)
ユリシス・オーエンス・ジュニア(ドラムス)
<SET LIST>
1.TADD’S DELIGHT
2.PLUM ISLAND
3.3.10 BLUES
4.EPISODE
5.MY FOOLISH HEART
6.I THOUGHT OF YOU
7.CHEGA DE SAUDADE
8.LIFE IS ALL LIKE THAT
9.IF I SHOULD LOSE YOU
EC1.SMILE
EC2.BLUE’N BOOGIE
2012年12月以来、2年半ぶりのサダオさん。
その時は、リチャードボナらとの共演で、アフリカサイドのサダオさんだったので、純粋なジャズサイドのサダオさんを見るのは2009年以来ということになる。
2012年 Live鑑賞 〜 渡辺貞夫 “MBALI AFRICA” featuring Richard Bona Live at BlueNote Tokyo
2009年 Live鑑賞 〜 渡辺貞夫 Quartet Live at BlueNote Tokyo
2008年 Live鑑賞 〜 SADAO’s CLUB maxell 渡辺貞夫 with N.Y Quartet Live at BlueNote Tokyo
純粋なJazzだけでなく、ブラジルサイド、アフリカサイドの音楽性を併せ持ち、演奏する音楽によってメンバーを変えて行くサダオさん。
今回はピアノの重鎮ケニーバロンは別にしても、ベース、ドラム共に気鋭の若手を使ったドジャズ志向のメンツだ。
この若手メンツの起用もサダオさんの得意とする所で、リチャードボナなどはまだ日本で知られていない頃から発掘していたし、今回のベース ベン・ウイリアムスも、今でこそパットメセニーのユニティグループのベーシストとして日本でも有名になったが、メセニーが起用する以前からサダオさんはアルバムで起用している。
今回のそれは、ドラムのユリシス・オーエンス・ジュニアということになるだろう。
これらは恐らく世界中にミュージシャンのネットワークを持つサダオさんならではということになる。
サダオさん、年齢のことを言うのもバカバカしくなるほど若い。
今も世界中を飛び回る。
(今日も「時差ボケやってます」と仰っていた)
御年82歳、演奏歴64年。
日本の芸能界でも最古参と言っていい人物でありながら、古い感覚のままでなくて、こうして若いミュージシャンと演奏し続けていくから若さを保っていけるのだろう。
あとは、ドジャズに固執することなく、ブラジルやアフリカの明るい音楽と融合させていく感覚も若さである。
音色も変わらずに、温かく柔らかく明るいサダオ節。
ダンディーでカッコいいまま、先日のロイ・ヘインズではないけれど、90でも100になっても演奏し続けて欲しい。
演奏された曲目は、サダオさんのオリジナルから「Smile」のようなポピュラー曲、「My Foolish Heart」のようなジャズスタンダードまでさまざま。
ぼくは好みとしては、イケイケの明るい曲が好きで『バラードを聴いていられるアーティスト』というのはそれほど多くないのだけれど、サダオさんのバラードはずっと聴いていられる。
この安心感は凡百のアーティストでは出せない。
ケニーバロンは、少なくともこのブログで遺す原稿には名前がないが、それ以前の90年代から2000年代初頭までに見ているかどうか。もしかしたら今回が初見かもしれない。
それほどに、目立って前に出ていくピアニストではなく、あくまでサポートピアニストとしての重鎮。
今宵も前に出過ぎることなく、ソツなくプレイ。
現代風トミーフラナガンのようである。
(風貌が全然違うけど)
ベン・ウイリアムス。あまりにもメセニーのユニティグループでの活動を目撃しているので、ドジャズプレイを見るのは初めてかと思いきや、2009年のサダオさんライブの時のベーシストもベンだったという。。。
あらためてベンのドジャズプレイを見ると、スイングしているし、アイデアにも富んでいて凄腕だということがよく分かった。
サダオさんのバックで演奏しているのを本当に楽しんでいるような表情が印象的。
今回の発見はぼくよりも若いドラマー、ユリシスオーウェンスジュニアだろう。
この人、恐らく今後もっともっと売れていくと思う。
これは売れるわ!と思わせる4ビートプレイであった。
とにかく、猛烈にスイングしまくっているし、それでいてしなやか。
クリスチャンマクブライドお抱えのドラマーで、マクブライドにかなり鍛えられているのかもしれない。
サダオさんとは初共演ということで、サダオさんもプレイを見ながらニコニコであった。
今後の動向に注目の新世代ドラマーだ。
ユリシスのセット。カノウプスのドラムにジルジャンのシンバル。
全国各地でライブを行うサダオさん。
そして、東京でもあちこちでライブはやっているけれど、ブルーノート系列でやるライブは今回のように各国のミュージシャンと演奏するプレミアムもの。
今宵も北海道から長崎から見に来ている人もいて満席の大盛況。
80を越してからのサダオさんの飛び回り方は、以前以上にアグレッシブなだけに、この先の音楽活動にも要注目だ。
相変わらず、ゴキゲンだね!のステージでした。
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