Live鑑賞 〜 Roy Haynes “90th Birthday Celebration” Live at BlueNote Tokyo

2015年5月17日 日曜。

Roy Haynes “90th Birthday Celebration” Live at BlueNote Tokyo


ROYHAYNES2015


Roy Haynes “90th Birthday Celebration”
ロイ・ヘインズ”90th Birthday Celebration”


Roy Haynes(ds)
ロイ・ヘインズ(ドラムス)
Jaleel Shaw(sax)
ジャリール・ショウ(サックス)
David Wong(b)
デヴィッド・ウォン(ベース)
Martin Bejerano(p)
マーティン・ベヘラーノ(ピアノ)


ロイを見るのは5年ぶり。
前回は2010年、その前はこのブログに残してあるだけでも2009年2007年の3回。
さらに、その前は旧ブルーノート時代の’90年代に1度見ている。
で、2007年の時点で80歳を越しているロイを見て「スゴい、スゴい」と書いている。


言っては失礼だが、90歳になって来日し演奏してくれるとは思ってもみなかった。
今思えば2007年も2010年も、若い。
御年90歳、芸歴73年である。


私事ながら、つい先日祖母に会って来た。
祖母はこの10月で90歳だが、完全に頭はボケており、昨夏会ったときよりも随分動きも遅くなっていた。
ロイは祖母と同い年にも関わらず、ニューヨークからやってきて、3日連続、1時間半ほどのライブを1日2ステージやるのである。
来日するだけでもとんでもないことだと思うのに。


チャーリーパーカー、マイルスデイビス、ビリーホリディ、ジョンコルトレーン、セロニアスモンク、バドパウエル、、、Jazz史に残る数々のジャイアントたちのバックで叩いてきた男。
そして、現在でもチックコリア、パットメセニー等最前線の人たちと共演していく男。
ドラムに一生を捧げた男。


ブルーノートへ向かう前、久々にコルトレーンの伝説のニューポートライブを聴いた。
チックコリアの名盤「Now he sings Now he sobs」を聴いた。
ニューポートライブは1963年、チックのアルバムが1968年。
まだぼくが生まれる前だ。
この時点ですでにロイは芸歴20年以上なのである。
スゴい人である。


それはもう、その頃に比べたら力は落ちている。
ミスショットもする。
ハッキリ言って、技術だけで言うならプロドラマーだけでなく多くのアマチュアドラマーの方が上だろう。
だが、もうそこにはそんなものを超越したものがある。
世界中の全ドラマーのみならず、全ミュージシャンがリスペクトすべき領域まで来ている。
つまりこうだ。
あなた、90歳でここまでやれるか??ということだ。
ぼくも含めて90歳になってみないとそんなことは分からない。
でも、自分の身の回りの事実を考えると90歳で現役でやり続けることの偉大さはミュージシャンじゃなくても分かろうというものである。


こと、ロイのドラミングに関しては独特で、ともすると「なんだあれ。誰でも出来るやん」という感じの手癖フレーズも満載である。
今宵もロイ独特のフレージングは連発されていた。
でもね、あの叩き方は確かに今や誰でもマネ出来るかもしれない。
でもそれをやると“ロイヘインズみたいな叩き方”になる。
で、ロイ自身の叩き方は“ロイヘインズの叩き方であり、他の誰のようでもない”のである。
これが個性であり、お金が取れる『プロ』というもの。
で、個性がキツくて教科書通りじゃないから「古く」もならないのよね。


いちいち年齢を引き合いに出すとロイに失礼なのだが、
5年前に比べると少し痩せたとはいえ、本当に元気。
ドラムのセッティングも自分でやるし(イスの調整、シンバルの角度調整、スネアの調整、、、)、出す音は時折とんでもない爆音。
そして、何よりメンバーの音をよく聴いている。
耳がすごくいい。
だからメンバーのソロにも反応する。
合間に歌まで披露(これがまた上手い)。
神経の衰えが全然無い。


ある程度の年齢に達すると、やっぱり神経が衰えるから、見ていてこっちが心配になってくる。
最近遂に来なくなってしまったが、マッコイタイナーがそうだし、病気だから仕方ないにしても去年のデニスチェンバースがそうだった。
そうなってくると、周りのメンバーが助ける、という事態が生じる。
で、ロイも最初はちょいと心配になったが、ステージが進むにつれて、やっぱり「ボス」なのである。
もちろん自分の孫世代にあたるメンバーが助けてくれている部分は大いにあるのだけれども、あくまで全体を引き締めて、リードしているのはロイ。
やっぱり驚異。


バディリッチ、アートブレイキー、エルビンジョーンズ、マックスローチ、アートテイラー、チコハミルトン、シェリーマン、トニーウイリアムス、ビリーヒギンズ、、、
数多の名ドラマーたちが今やもう鬼籍に入ってしまった。
長生きはするもんだな〜とつくづく思う。
音楽の神に見入られたロイは、今も現役で目一杯叩いている。
(でも、その裏で彼が筋トレをしたり、恐らく麻薬やタバコ等をやってこなかったなどの点も忘れてはならない)


こうなったら100歳までも叩いていて欲しい。
ロイがここまでやっているのだから、80代なんてまだまだ若い。70代60代なんてペーペー。
ロイヘインズは多くの音楽家のみならず、生きている全ての人を勇気づけられるような存在に登り詰めようとしている。


ヤマハドラムにジルジャンシンバル。
スネアは自身のシグネチャーモデル(ブラスシェル)。
スティックもシグネチャー。
ROYHAYNES2015ドラムセット

ROYHAYNES2015ドラムセット背面


ブルーノート入ってすぐの天井には、先日亡くなったBB Kingも。
ある時期までは毎年のようにブルーノートに来ていたので、1度見ておけばよかった。。。合掌
BBKING

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Writer:オーシャン

コラムニスト:オーシャン幼少の頃より音楽を始めとしたあらゆるエンターテインメントに触れる機会を持つ。学生時代はフュージョン系サークルにもプレイヤーとして所属。→ [ 詳細 ]

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