Live鑑賞 〜 John Scofield “Uberjam” Live at BlueNote Tokyo 2015

2015年5月29日 金曜。

John Scofield “Uberjam” Live at BlueNote Tokyo


ジョンスコ玄関

ジョンスコステージ

John Scofield “Uberjam”
ジョン・スコフィールド“ウーバージャム”


John Scofield(g)
ジョン・スコフィールド(ギター)
Avi Bortnick(g,sampler)
アヴィ・ボートニック(ギター、サンプラー)
Andy Hess(b)
アンディ・ヘス(ベース)
Louis Cato(ds)
ルイス・ケイトー(ドラムス)


<SET LIST>
1.SNAP, CRACKLE, POP
2.YOU’RE MISSING THE POINT
3.ALMOST BLUES
4.JUNGLE FICTION
5.DUB DUB
6.122 BPM
7.I DON’T NEED NO DOCTOR
EC.AL GREEEN SONG


ジョンスコを見るのはおよそ2年半ぶり。
前回は、ジョンスコフィールドトリオで、スティーヴスワロウとビルスチュワートとの痛快セッションだった。


なんだろう。
ジョンスコの音楽は、万人にオススメできるものではない。
しかしながら麻薬的要素がある。
いっぺんジョンスコ風メロディー、ジョンスコ風弾きっぷり、ジョンスコ風フィーリングにハマってしまうと、カッコいいとしか思えなくなってくるから不思議。
たぶん一度聴いたくらいでは、何がすごくて、何がクセになるのか分からないだろうと思われる。


ぼくはギターを弾くわけではないから、テクニック的なことはよく分からないのだけれど、あるギタリストに言わせるとマネできないという。
それほどに、弾くフィーリングがオンリーワン。
それはギター弾きでないぼくでも分かる。
ドラム、ピアノに次ぐくらいよく聴いているのがギター。
皆が皆、唯一無二なのは百も承知だが、それでも様々なミュージシャンの演奏をアマチュアでもコピーしている。
ところが、、ジョンスコの曲はコピーできてもフィーリングはなかなかコピーできない。
決して早弾きを多用するとかそういうことではなく“フィーリング”の問題。
「え?それはヘンだろ〜!」と思ってしまうような音やフレーズを自信を持って出していく。
サックスで言うところのウエインショーターのようなものだ。


相変わらず「顔で弾く」ジョンスコ。
「間」で弾くジョンスコ。
音を置きながら、探しながら、グイグイ引き込んで盛り上げていく。
これがジョンスコ流。


でね、ジョンスコの曲って、聴いた瞬間にあ〜〜スッキリ爽快!のノド越しじゃなくて、ジワジワジワジワ効いてくる感じ。
聴き終わったあとで、クセになってたり、時としてヘビロテになってたり、気がつくと場外ホームランをかっ飛ばされている。
本当に不思議なミュージシャンなのだ。


そんなわけで、ここまでジョンスコ、ジョンスコと連発しているように、いつもドラマー重視でライブを観に行き、実際にドラマーに視線を持っていくことが多いし、この日もルイスケイトーのドラムが楽しみで行っているぼくなのだが、ついついジョンスコに目が行ってしまうのだ。
予測不能。
何をしてくるか分からない、ソロがどこに飛んでいくか分からない面白さがあるのである。


その上で、学生時代の先輩が「ジョンスコほど歌えるギタリストはいないかも」と仰っていたのだが、その通りかもしれない。
むちゃくちゃギターが歌っている。
ファンク、ジャングル、シャッフル、ブルース、、変幻自在に織り込みながら弾き倒す。


今回のバンドはジョンスコ以外にアヴィ・ボートニックというもう1人ギタリストを置いて、彼にバッキングやMACでサンプラーを任せてその土台の上をジョンスコが自由に泳ぐスタイル。
アヴィ・ボートニックとジョンスコとの掛け合いやユニゾンも気持ちいい。


ベースのアンディ・ヘスもムチャクチャいい味とグルーヴを出していて、常にルイスのドラムを聴きながら弾く。
リズム隊がキチッとしているので、バンドのまとまり感がハンパない。


そして今年ここまでですでに3回もブルーノートに登場しているルイスケイトーのドラムだ。
(それだけ多くのミュージシャンに引っ張りだこの若手ドラマーというわけだ)
マーカスミラーのときは見ていないが、前回ボビーマクファーリンは見ていて、その時はその時でギター弾きながら歌い、足はバスドラを叩くという離れ業をやっていた。
それでもあくまで伴奏に徹していた気がする。


今回のバンド、さすがにドラムソロが用意されていた。
途中の「JUNGLE FICTION」という曲でのソロ。
ここでルイスの本気を見た。
3月に見たマークジュリアナもそうだが、完全に新世代のドラマーたちは新たな領域に入りつつある。
ルイスのドラムソロ、ちょっと今まで見たことのないものだった。
ジャングル〜ドラムンベース系のリズムでドラムを叩くと言えば、ジョジョメイヤーがいるわけだが、ちょっと今日のソロを見る限り、ルイスはさらにその上をいけるんじゃないかとすら思った(もちろん、上とか下とかそんな事を言うのはナンセンスだけれども)。
ドラムソロの表現の仕方に新しい型を見た気がする。


ルイスのセット。カノウプスのドラムにジルジャンのシンバル
ルイスケイトードラムセット


ハイハットの左側に別の型のスネアを置くのは珍しくないけれども、ルイスの場合、さらに左にもう1台スネアを置いて3台。
な〜るほど、スネアこそ数多くたたき、ビートの最重要ファクターなわけで、置けるだけ置いて表現を増すというのはアリですな。


それでいて、ギターも弾けて歌を唄えば上手いルイス。
世界は広い。


痛快とも言えるし、壮絶とも言えるライブだった。
スコスコ。



Uberjam Deux



Überjam

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Writer:オーシャン

コラムニスト:オーシャン幼少の頃より音楽を始めとしたあらゆるエンターテインメントに触れる機会を持つ。学生時代はフュージョン系サークルにもプレイヤーとして所属。→ [ 詳細 ]

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