Live鑑賞 ~ KIRINJI LIVE 2020 at NHKホール

2020年12月10日。

Live鑑賞 ~ KIRINJI LIVE 2020 at NHKホール


KIRINJI LIVE 2020 at NHKホール



出演:KIRINJI
堀込高樹(vo/gt/key)
楠均(dr/per/vo)
千ヶ崎学(bass/vo)
弓木英梨乃(gt/vo)

Support Musicians:
矢野博康(per/manipulator)
sugarbeans(key)
MELRAW(Sax/fl)

Guest:
YonYon、鎮座DOPENESS


<Set List>
1.明日こそは/It’s not over…

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音楽界の訃報続く

筒美京平さんだ、ヴァンヘイレンさんだと、このところ一般のニュースでも大きく取り上げられるような音楽界の訃報が続きます。
このブログもコロナの野郎のせいで、ライブにもなかなか行けず、訃報ばかり書かねばならぬのは痛恨。

さて、あらためて筒美さんの曲のラインナップ、スゴっ!としか言いようがない。
もう、題名見ただけでメロ出てくるのがどんだけあるか。
題名がそのままサビのメロやったりするし、リズムも含めてポンっ!と頭に浮かぶ凄さ。

今がアカンとか昔がエエとかいう話に落とし込もうなんて気はさらさら無いけれども(そもそも筒美さんは2010年代も曲書いてるし)、少なくとも筒美さんの曲とか往事の歌謡曲って「題名」とか「一行目」で曲が歌えたり、四の五の言わずに内容が分かる凄味みたいなものがあったよねぇ。

さて、ヴァンヘイレンの場合は、高校生自分に1曲や2曲なにかバンドで演ったような気はする正味追悼するほどには馴染みがないので、ここは思いの大きい人に筆を譲ります。

それ以上に個人的に一番大きい最近の音楽界の訃報はロッコの死です。
タワー・オブ・パワーのベーシスト、フランシス・“ロッコ”・プレスティアが死去

最後に見たのは2016年になるのか。
Live鑑賞 〜 Tower of Power Live at BlueNote Tokyo 2016

ぼくはもう随分年をとってからのロッコしか知らないのだけれど、パッと見、全然グルーヴを醸し出すようには見えない風体。
ただひたすらに訥々と弾く感じ。
ところが、いざディヴィッド・ガリバルディ先生のドラムと合わさると、鉄壁のリズム隊になる不思議。

ちょっと前のめりになりながら、派手さはなくとも弾きまくるロッコさん、そして歴史上間違いなくトップクラスのファンクリズム隊をライブで体感できたこと、嬉しく思います。
ご冥福をお祈りします。RIP。
もうあのグルーヴは浴びることができない。
けれど、いっぱいいっぱい音源や映像が遺っていくのよね。
音楽は、音を出した瞬間に空に消えるけれど、永遠。

合掌!ゲイリー・ピーコック

この数日、Jazz好きのSNSでは本当のニュースなのか、フェイクなのかで揺れていた一件。
いまだに日本のメディアのニュースには出て来ないけれど、ほぼ間違いない。
残念な訃報。

ジャズ・ベーシスト、ゲイリー・ピーコック死去

最初は、敬愛するドラマー ジャックディジョネットがSNS上でピーコックの死を伝えていて、でもその後全然メディアから情報も出て来ず、、とはいえ、いくらなんでも盟友ディジョネットが嘘を言うこともなかろう、、と揺れていた。
日本でも、Twitter界隈では皆「どっちなんだ??」の嵐。

が、ピーコックが多くの作品を残したECMレーベルからも公式に発表があり、間違いなかろうと。

で、正直に言えば、ぼくはピーコックのことはキースジャレットスタンダーズトリオでの音源しか知らない。
ただ、逆に言えば、スタンダーズは愛聴曲も多いので、ヘタなベーシストよりはたくさん聴いている。

キースのスタンダーズは、何も考えずに聴けば、まぁ誰もが楽しめるのだけれども、実際にはかなりのJazz玄人向けであり、特にあらゆる曲が時として(ホンマにキースの気まぐれに思える)エクステンションとして、ぶっ飛んだ方向に進化、昇華し、収束する様は、めちゃめちゃスリリングで、芸術的で、ザJazzなのであるけれども、分からない人には全然分からないと思われる。

ぼくは、ピーコックのベーシストとしての凄さを語るほどにベースの事は全然分かっていないのだけれど、あの自由すぎて繊細すぎてジャズアーティスト以前に芸術家であるキースジャレットと、変幻自在のディジョネットのドラムの間で、ベースとして音楽を支え続けたこと自体がピーコックの凄さに思う。

弾いている姿が、ベース職人。
前へ出ていく感じでもなく、淡々と弾き続ける。

でも、死を機にいろいろ調べてみると、もともとはドンチェリーやアルバートアイラーなんかのフリージャズの畑から出てきてるし、かと思えばハービーハンコックやトニーウイリアムス、ミシェルペトルチアーニや我がロイヘインズ師匠とも演ってるし、挙げ句演奏から遠ざかって京都に住み、その時に我が日本の富樫雅彦や菊地雅章などの日本人ジャズメンなんかともアルバムを作ってる。
なんか、掴み所のないベーシストだったんだなぁと。
まだまだ聴いてないアルバムもあるので、聴いてみたい。

なにが残念って、ジャズ史上に燦然と輝く唯一無二のピアノトリオ、キースジャレットスタンダーズに紡がれる新しい音楽がもう二度と世に出ることがなくなったこと。

ただ、このキースのスタンダーズは、3人が亡くなっても、ぼくが亡くなっても、100年経っても、人類が存在して音楽がある限り、間違いなく遺されていく作品群なので、ピーコックのベースもそこで生き続けていく。

このブログの記録には残っていないけれど、唯一回だけ、渋谷オーチャードホールにてキースジャレットスタンダーズのライブを見ておくことができて良かった。
(ただし、この日のキースは不調で、エクステンションも全くなかったのが残念)

日本でも数々の名演を遺してきたけれど、1993年雨のよみうりランドオープンシアターイーストにおける、Solarからのエクステンションは、ぼくは高校3年で映像を見、スタンダーズの凄さを初めて知ることになったライブになった。
今考えるとあれだけ神経質なキースが、よくぞ真夏の野外、そして雨が降りまくってスタインウェイが濡れる状況でライブを決行したなと。
伝説のライブである。

以下、その映像。
26分もあるので見なくていいです。
ただ、凄いです。
10分はSolar、そこから5分間その先へと繋がるエクステンションのメロディを探すキース(ベース進行はSolarのまま)、15分頃にもう一度テーマメロディが演奏され、そこから10分強は若干東洋チックになり、リズムまでも変化していく圧巻のエクステンション。3人が互いの音を聴き合い、延々と音を探していく。。。
これが、その日、その場だけで演奏されるジャズの醍醐味。

この日のライブDVD。ライブアンダーザスカイといい、よみうりランドオープンシアターイーストはぼくにとっては伝説の会場だ。…

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コニッツまで…

新コロのせいで、生き残っているジャズジャイアントたちが亡くなっていく。
これで3人目。
リー・コニッツが亡くなった。

バッキー・ピザレリ、エリス・マルサリスに次いで。
(ウォレス・ルーニーも亡くなったが、ジャイアント手前の年齢なので別枠)

でも、3人の中では、コニッツが個人的には1番馴染みがある。
アルバム「motion」におけるエルビン・ジョーンズとの掛け合いは、熱いが軽快に煽るエルビンと、どこまでも涼しげに吹くコニッツが最高で愛聴盤。

92歳。キャリア70年以上。
1度ブルーノートで見てみたいジャズジャイアントの1人だったがついぞ登場はなかったし、見ることが出来なかった。
無念。

憎き新コロ。くそっ。

合掌!
安らかに。

エルビンのドラムが冴えまくるコニッツのモーション

モーション+3

踏ん張って存続して欲しい

ブルーノート東京に、海外からアーティストが来てくれて、食事しながら演奏が聴けるってことが、どんだけ素晴らしいことだったのかと、そう思う今日この頃である。
(ブルーノート系列のライブハウスやビルボードライブなども当然含む)

個人的にはあの場所こそ必ず存続して欲しいけれど、当分ムリな気が…

いわゆるRockのライブハウスに比べれば、ブルーノートやコットンクラブやビルボードライブは天井も高く、かなり広い空間だけれどもそれでも混雑した日にはかなり密集・密接度も高いのでそういう意味でまず厳しい。

自粛要請が功を奏して日本が大丈夫だったとしても、世界各国からアーティストたちがちゃんと来てくれるのか、という意味でも厳しい。

東日本大震災の時は、福島のことがあり、震災から数ヶ月はなかなか海外のアーティストが来づらい状況だったけれど、その間も日本のアーティストが来日キャンセルの穴を埋めたり、気概あるアーティストはそれでも海外から飛んできてくれたものだった。
(震災当日にライブのあったタワーオブパワーは、予定通り最後までライブを行なってくれた)

今回はそうもいかないだろう。
今後のスケジュールは軒並みキャンセル(延期)になっていて、どれだけ内部留保があるか知らんけど、傍目から見ても危機的状況。

スタッフさんたちも大変だ。

上手く再開出来た時には常連さんはじめ、多くの人が押しかけそうな気がする。
(それはそれで第二波が心配だが)

ぼくもあの場所で再び音楽を浴びることが出来た日には、そのアーティストが誰であれ、感涙するんじゃないかと思う。

ニューヨークのジャズクラブも当然閉店状態。
必ずやまたニューヨークへ行ってジャズクラブ巡りの出来るがくることを祈る。

みーーんなが頑張って耐え忍んで、またあの場所で音楽を浴びたい🎶

哀悼!マッコイ・タイナー

ついにこの日が来てしまったか、、、という感じである。
マッコイが亡くなってしまった。

米ジャズピアニスト マッコイ・タイナーさん死去

当ブログにおいて、マッコイのライブをレポートできたのはただの1回しかない。
Live鑑賞 〜 McCoy Tyner Trio Live at BlueNote Tokyo 2007

13年前のこの1回がぼくがマッコイを最後に見た日となってしまった。

ただ、ブログにこそ書けていないがぼくが上京してからこの2007年頃まで、ブルーノート東京で毎年のように見たアーティストがマッコイとマイクスターンだ。
1995年、旧ブルーノート東京時代から2010年手前くらいまでこの2人のライブはかかさず見てきた。
とりわけフュージョンサイドがスターンなら、マッコイはドジャズ、モダンジャズであり、ブルーノート東京のライブが見たくて大学を東京にして上京してきたと言っても過言ではない自分にとって、マッコイタイナーのピアノを目の前(そう、当時は朝一から並んで一番前に座れた。鍵盤まで1mもない距離でマッコイのピアノを毎年堪能した)で見て、マッコイ独特のいい香りの香水の匂いが立ちこめると「ニューヨークのジャズクラブの空気ってこんな感じなんだろう」と勝手に想像したものだ。

2000年くらいまでのマッコイのライブは、それはそれは絶好調で、例のあの流れるような爽快感のあるピアノが気持ち良すぎた。
必ず1曲目はマッコイ節全開の、トップスピードの曲をやってくれたから、もうそれだけで猛烈なカタルシスに襲われたものだ。
この頃までは旧店舗でも新店舗に移動してからも、終演後しばらくするとマッコイは出て来て、バーカウンターでお酒を飲みながら葉巻をくわえている姿が見られ、それはそれはかっこよかった。
ザ・ジャズマンであった。
これほどの偉大なピアニストでありながら、ほんとにポツンと一人でお酒と葉巻を嗜んでいたから、声をかけると気さくにサインにも握手にも応じてくれた。

そんな感じでぼくにとってもブルーノート東京初期を彩ってくれたアーティストである。

もちろん毎年見に行っていたのは、マッコイの豪快で鍵盤を舞うようなピアノが好きだったからだ。
中2くらいからすでに聴いていたと思う。
まずは、コルトレーンの1963年ニューポートジャズフェスでの「マイフェイバリットシングス」。
これは何度聴いたか分からない、いわゆる黄金カルテットのエルビンジョーンズじゃなくてドラムがロイヘインズバージョンなのだが、この時ばかりはロイのドラムがハマっている。そして御大コルトレーンの壮絶なソロがもちろん聴き物なのだがそれの露払い役としてのマッコイのピアノソロがまた良いのである。
ピアノトリオでのアルバム「Reaching…

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Live鑑賞 ~ CAMERON GRAVES Live at BlueNote Tokyo 2020

2020年2月16日。2nd Show。

Live鑑賞 ~ CAMERON GRAVES Live at BlueNote Tokyo 2020


CAMERON GRAVES Live at BlueNote Tokyo 2020

The EXP Series #35
キャメロン・グレイヴス


Cameron Graves(p,key)
キャメロン・グレイヴス
(ピアノ、キーボード)
Colin Cook(g)
コリン・クック(ギター)…

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ありがとう!ライル・メイズ

恐らく今頃、世界中のパットメセニーグループファンが、’80〜2000年過ぎくらいまでのメセニーグループの楽曲を聴きまくっているのではないだろうか。

突然の訃報。
聞いた時、絶句してしまった…

Noted Jazz Keyboardist Lyle Mays Dies at 66

パット・メセニー・グループで活躍 ジャズ・ピアニストのライル・メイズ死去

いつの日か、またメセニーと共に演奏するライルを見れることを期待していただけに、いや、メセニーと一緒でなくてもライル単体でもぜひ聴いてみたいアーティストだっただけに、本当に残念でならない。

もうすぐ発売されるメセニーの最新アルバムがどのようなものなんかはまだ未知数だが、往年のファンであれば、ここ10年くらいのメセニーサウンドに何かが欠けている、、、と誰もが感じているはずである。
それはどうしたってライルのピアノ/キーボードであった。

メセニーグループ以外の活動があまり知られていないというか、どういう事情かは分からないが実際に他のミュージシャンと交流したり、来日したりすることがなかったから、メセニーのファン以外の人たちからはほとんど知られていないと言ってもいいだろう。

けれど、この人ほど過小評価されているアーティストはいないのではないか(決してメセニーのファンは過小評価してないけど)。
とにかく難解すぎるメセニーの楽曲(というか、自身の楽曲でもあるけれど)をいとも簡単に弾きこなすだけでなく、大空へ飛翔するような気持ち良いソロを毎度取れるのはこの人しかいない(時にはメセニー以上のソロを取る)。

さらにそれは誰かのマネでもない。どっから切り取っても一発でライルメイズと分かるピアノ/キーボード。
聴いてるともうむちゃくちゃ気持ちいいったらありゃしない。

思えば、最初にメセニーグループの音に出逢ったのは、姉が持っていたアルバム「Letter from home」のカセットテープ(!)だったが、ラジカセから1曲目「Have you heard」の1音が出た時に、部屋の空気が変わり、中学生の多感な時期のぼくに衝撃を与えた。
その衝撃の1音こそライルのピアノだった。
そこからの長い長いお付き合い。
高校の頃、受験勉強中、大学に入ってサークルで、その後の人生、自身の結婚式でも「Better…

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Live鑑賞 ~ Omar Sosa & Yilian Cañizares ‘AGUAS Quartet’ Live at BlueNote Tokyo 2019

2019年10月2日。2nd Show。

Live鑑賞 ~ Omar Sosa & Yilian Cañizares ‘AGUAS Quartet’ Live at BlueNote Tokyo 2019


Omar Sosa & Yilian Cañizares ‘AGUAS Quartet’ Live at BlueNote Tokyo 2019

オマール・ソーサ &…

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Live鑑賞 ~ Michel Camilo with BIG BAND Live at BlueNote Tokyo 2019

2019年9月6日。2nd Show。

Michel Camilo with BIG BAND Live at BlueNote Tokyo 2019


Michel Camilo with BIG BAND Live at BlueNote Tokyo 2019

ミシェル・カミロ with ビッグバンド


Michel Camilo(p)
ミシェル・カミロ(ピアノ)
Ricky Rodriguez(b)…

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Writer:オーシャン

コラムニスト:オーシャン幼少の頃より音楽を始めとしたあらゆるエンターテインメントに触れる機会を持つ。学生時代はフュージョン系サークルにもプレイヤーとして所属。→ [ 詳細 ]

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