Live鑑賞 〜 河合代介&佐野康夫 デュオ at 沼袋 Organ Jazz 倶楽部

2016年1月8日。

河合代介&佐野康夫 Duo at 沼袋 Organ Jazz 倶楽部

organJazz倶楽部正面

オルガンとドラム

河合代介(org)
佐野康夫(Ds)


いつからだったかは分からないが、ドラムを自分でも叩く身としては佐野康夫という名前はかなり昔から目にしていた。
で、ここ数年よく見ているのはaikoのバックでドラムを叩いているからで、2010年の代々木第一体育館ライブで初見、ライブでもTVなどでも、もちろんアルバムでもaikoの後ろでは叩いてらっしゃる。
この年末はカウントダウンライブも含めて坂本真綾のバックも佐野さんだ。
そんなわけなので、あらゆるアーティストのバックドラマーとして引っ張りだこの佐野さんだけれど、沼袋の小さなハコで3ヶ月に1度くらいの割合でオルガンの河合代介氏とデュオでライブをやっている。
目の前でドラミングを拝見できるチャンスということで、2016年1発目のライブとしてチョイス。


高円寺あたりでもいろいろなバンドで定期的に佐野さんのドラミングは見ることはできるが、出演者が2人だけで、自由に叩きまくる佐野さんを見るならこのライブではなかろうか。
Jazzからファンク、バラード、シャッフル等々あらゆるリズムの曲を叩き倒す。
自由で楽しく、ではあるが、ある意味では佐野康夫の「本気」が見れるライブとも言えよう。


日本でも指折りのオルガン奏者とも言える河合代介さんとともに2人で奏でているとは思えぬ音圧である。
選曲も、河合氏の好みであり、ぼくも大好きなジョー・ザヴィヌルの「バードランド」や「オリエントエクスプレス」「お前のしるし(A REMARK OF YOU)」から、ジャコパスの曲、ジャクソン5の曲、マイクマイニエリの「Tea Bag」、タワーオブパワーの「Squib Cakes」などなど。
パコセリーからデヴィッドガリバルディまでカバーする佐野さんのドラミングを見られるのはこのライブしかあるまい。
(ノーリハでやってる曲もあるので、大変そうだったが)


中でも、去年かなりヘヴィーローテーションで聴いていたオリエントエクスプレスが聴けたのが嬉しかった。
そもそもパーカスやヴォイス入りの曲だし、ザヴィヌルミュージックの深さを理解した上でないとなかなか味わいが分かりづらい曲であり、ザヴィヌル亡き今、誰もカバーしてくれないであろうと思っていただけに、まさか2人でやるとは、、、である。
それはタワーオブパワーのSquib Cakesしかりなのであるが、オルガンというピアノやキーボードとはまた別物の楽器の特性だからこそであり、その上で2人の表現力があってこそカバー出来ているのであろう。


何よりも2人が音の会話を楽しみつつ、リラックスした雰囲気で楽しく演奏している様を見れるのがいい。
そして何よりトークもこのライブの聴きどころ?の一つ。
2人で喋りまくる。
佐野さん、意外と天然キャラである。飄々と話す様はキリンジの兄弟時代のトークと通ずる空気感がある。


小さなハコだけに終演後にお2人と話が出来るのも嬉しいところで、個人的には最近買おうかどうしようか迷っているチャイナシンバルについて聞けたのが収穫。
というのも、佐野さん、このライブではジルジャンのオリエンタルチャイナをシズル付きで使用しており、ぼくもチャイナならオリエンタルかKジルジャンのダークチャイナかで迷っていたから。
今日聞いたところだと佐野さん曰く、ジルジャンのオリエンタルは他のメーカーのシンバルとの音の混ざりが良いという。
ジルジャンとは正反対と言っていいであろうパイステのシンバルとも混ざりが良いと。あれならUFIPやマイネルあたりのシンバルとも合うんじゃないですかと。
こういう意見は、楽器屋で試奏してもなかなか分からないこと。だから貴重だし、それが佐野さんの言葉だからこそ重みがある。
実に丁寧に様々なことに答えてくださった。


佐野康夫 本日のセット
カノウプス(恐らく常駐のもの)にジルジャンのシンバル
シンバルはクラッシュなし。クラッシュの位置にはKジルジャンのジャズライド。
ライドはKダークミディアムライドと前述のオリエンタルチャイナ(どちらもシズル付き)
ドラムセット1

ドラムセットアップ


オルガン
ステージ後ろに鏡が設置されているのと、上空にカメラが設置されていてプロジェクターで映し出し、手元までしっかり見れる工夫がしてある。
これは嬉しいところ。
オルガン




中野から20分ほど歩けば行ける場所。そして、西武新宿線の小さな駅と言ってもよかろう沼袋にあるOrgan Jazz倶楽部。
初めて来たが、聴きやすいし、飲食メニューもいい感じ。
ポップコーンはその場でポンポンと弾けさせて温かいものを提供してくれる。
他の食事メニューも気になるところ。
バスペールエールの生ビールなどもある。


2011年のOrgan Jazz倶楽部でのライブ

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Writer:オーシャン

コラムニスト:オーシャン幼少の頃より音楽を始めとしたあらゆるエンターテインメントに触れる機会を持つ。学生時代はフュージョン系サークルにもプレイヤーとして所属。→ [ 詳細 ]

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