Live鑑賞 〜 Ron Carter Big Band Live at BlueNote Tokyo 2012

2012年12月12日。

Ron Carter Big Band Live at BlueNote Tokyo


Ron Carter(b)
ロン・カーター(ベース)
Russell Malone(g)
ラッセル・マローン(ギター)
Donald Vega(p)
ドナルド・ヴェガ(ピアノ)
Lewis Nash(ds)
ルイス・ナッシュ(ドラムス)
Scott Robinson(sax)
スコット・ロビンソン(サックス)
David DeJesus(sax)
デヴィッド・デヘスース(サックス)
Wayne Escoffery(sax)
ウェイン・エスコフェリー(サックス)
Jerry Dodgion(sax)
ジェリー・ダジオン(サックス)
Jay Brandford(sax)
ジェイ・ブラッドフォード(サックス)
James Burton(tb)
ジェイムス・バートン(トロンボーン)
Steve Davis(tb)
スティーヴ・デイヴィス(トロンボーン)
Jason Jackson(tb)
ジェイソン・ジャクソン(トロンボーン)
Douglas Purviance(tb)
ダグラス・パーヴァイアンス(トロンボーン)
Greg Gisbert(tp)
グレッグ・ギスバート(トランペット)
Tanya Darby(tp)
ターニャ・ダービー(トランペット)
Alex Norris(tp)
アレックス・ノリス(トランペット)
Jon Owens(tp)
ジョン・オーエンス(トランペット)


現在の最先端のビッグバンドジャズを味わうなら来週のマリアシュナイダーオーケストラだろうけれど、ドジャズなビッグバンドならロンカーターが長年のキャリアを経て満を持して組んだこちらだろう。


かくいう僕の目当ては何と言っても久々にブルーノート登場となるルイスナッシュのドラミングである。


ジェフワッツが煽りながらグイグイとバンドを推進していくドラミングならば、
ルイスナッシュはジェフワッツほどのパワーはないまでも、
自分がガツガツと前へ出ることなく職人芸的ドラミングでバンドを盛り立てる。
そういう意味で現4ビートJAZZドラムの一方の雄である。


個人的にはルイスナッシュという人はハイハットの名手だと思っている。
小気味良くシュパシュパと決まるハイハット。
アレはなかなか音源では味わえないのですよ。
奥さん、やっぱりライブですよライブ!
というミュージシャンである。


さて大将ロンカーター。
もはや本当に数少なくなってきたジャズジャイアントの1人。
そしてベースという楽器の可能性を広げた人類史における重要人物の1人。
もちろん今までも何度か見ているのだが、ブルーノートでの鑑賞としては記憶にないくらい昔だから、かなり久々の拝見となる。


果たして御年75歳のロンがどのような演奏を披露するのか、彼の表現するビッグバンドとは?
とはいえ過剰な期待はしすぎずにライブに臨んだ。


まずもって第一の感想は、今年のMVPライブになるような衝撃のライブとはいかなかったけれど不満足では全然なく、久々にどっぷりとドジャズを聴けた喜びとでも言おうか。
ロンはとっても元気だ。
超高速の演奏でもまだまだ衰えしらずである。
今でもトニーウイリアムスが存命なら鉄壁のリズム隊を形成出来ていただろう。


そして個人的に今日イチのミュージシャンはギターのラッセルマローン。
初めて生で見たが、ははぁ〜〜んなるほど、道理で色々と話題にあがるミュージシャンなワケだと分かった。
それほどに冒頭の曲からグイグイと持っていく。
なんならビッグバンドのホーン奏者がわんさかいる中でギターは埋もれてしまうのだけれど、全然そんなことなし。
終止ドヤ顔で、いい面構え。
そんな面持ちのままギターをブンブン弾きまくる。
音でも弾き方でも顔でも人を惹き付けるミュージシャンなのだと分かった。


途中、ギター〜ベース〜ピアノのトリオ演奏が2曲あったのだが、その時もここぞとばかりにラッセルのギターは存在感を醸し出していた。
ロンと掛け合いをしつつ盛り上げていく、ずっと聴いていられるくらいの演奏であった。


前述したように今回はルイスナッシュのドラム目当てでいったのだが、ルイスが目立つ部分は殆どなく、でもそれを補って余りあるほどのラッセルの弾きっぷり。(まぁそれでもルイスのハイハットシュパシュパは聞けたけどね。あ、あとルイスのドラムがSAKAEドラムだったのは驚き。)
ロン〜ラッセル〜ヴェガのトリオは往年のオスカーピーターソントリオのような雰囲気すらあったが、個人的にはこれにドラムの加わったバージョンも聴いてみたかった次第。


ホーンセクションは殆どが白人さん。
逆に大将ロンとドラムのルイスナッシュ、ギターのラッセルマローンが黒人さんで、全体の雰囲気としてはウワものはきっちりと固め、バックは比較的自由度の高い演奏をしていたように思う。
それくらいギターを含むリズム隊は楽しそうに自由に演奏していた。
ビッグバンドだからといってカッチリさせすぎず、Jazzの自由度を楽しみ、
暗めの演奏はなく、白人が多かれどベースとなるのが黒人隊なので演奏に黒さもある。。。それがロンのビッグバンドなのであった。


「LOOSE CHANGE」「PORK CHOP」といったロンのビッグバンドアルバムからの演奏が主。
中でもジョンルイスの「THE GOLDEN STRIKER」のアレンジもステキ。


まだまだ元気なロン。
素敵な演奏を続けて欲しい。
そしてラッセルマローン、何かの機会にまた見てみたいアーティストである。
あのドヤ顔は忘れられぬ。


ロンのビッグバンドアルバム

グレイト・ビッグ・バンド


ロン〜ラッセル・マローン〜ドナルド・ヴェガの3人でコットンクラブでのライブ盤

コットンクラブでカクテルを

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Writer:オーシャン

コラムニスト:オーシャン幼少の頃より音楽を始めとしたあらゆるエンターテインメントに触れる機会を持つ。学生時代はフュージョン系サークルにもプレイヤーとして所属。→ [ 詳細 ]

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