Live鑑賞 〜 川村結花 Power of 5 at 目黒 Blues Alley Japan

2012年11月30日 金曜。

川村結花 Power of 5 at 目黒 Blues Alley Japan

川村結花(vo,p)
石成正人(g)
tatsu(b)
玉木正昭(perc)
田中邦和(sax)


2009年10月以来、実に3年ぶりの川村さんライブ。
そして川村さんのライブは何度か見てきたが、
殆どが独奏でのピアノ弾き語りか今回のバンドメンバーでもある田中さんとのデュオだったりしたので、ここまでしっかりとバンド形式でのライブは初めてと言っていい。


そしてもう一つ言えば、僕自身実はブルースアレイに行くのが初めてである。
かのマイルスデイビスが生前このライブハウスのオープニングを飾った。
(そのライブはチャージ10万円!でも今となっては全然見れるライブだ)
そんな場所だけに感慨深い。


川村さんは、本人の名前と顔が出てくる人は少ないかもしれないが、
SMAPの「夜空のムコウ」「ギョーカイ地獄一度はおいで」の作曲者であり、
沢田研二、松たか子、藤井フミヤ、鈴木雅之、NOKKO、渡辺美里、
最近では松下奈緒、藤木直人、坂本冬美、ナオト・インティライミ(以上敬称略)、
そしてまさに今日解散が発表されたFUNKY MONKEY BABYSの「桜」「明日へ」「大切」「あとひとつ」(日本レコード大賞作曲賞)も川村さんの楽曲である。


そして今日のライブのサポートメンバーがまた名うてのミュージシャンぞろいである。
ギターの石成さんは今年だけでも藤井フミヤ、平井堅、元ちとせ、JUJU、スキマスイッチ等々のサポートをしているし、
ベースのtatsuさんは元レピッシュで今はBOOMの宮沢さんとよくやってはるらしい。
ドラムの玉木さんはTUBEや夏川りみのサポートでもあり夏川りみさんの旦那。
田中さんもご自身のホームページを見る限り、毎日あっちゃこっちゃのライブハウスに出まくっている。


そりゃあリハーサルで集まるのも大変なわけだ。
そんなメンツの演奏がしっかりしていないわけがない。
今までほとんどピアノのみで聞いてきた川村さんの楽曲が5倍どころではない音のダイナミクスで迫ってくる。
川村さんのピアノは矢野顕子さんほど自由にピアノ自身が調教されて歌い、飛翔しだすとまではいかないが、川本真琴さんほど「おいおい大丈夫か?!」には当然ならない。安心して聴ける。


演奏は一部~休憩~二部という構成。
残念ながら新曲も多かったため、題名が分からずセットリストを記せないが、
1曲目は最近よく歌われる「ひさしぶりのうた」の弾き語りに始まり、
新曲を数曲挟んで坂本冬美さんに提供した「おかえりがおまもり」のセルフカヴァーVer。
一部の最後は「朝焼けの歌」で感動的な締めくくり。
田中さんのサックスがホントに川村サウンドに合う。


二部はこれまたよく最近歌われる「後半もお楽しみに」から始まって、
ギター&パーカッションとのトリオで「夜空のムコウ」セルフカヴァーVer。
また「遠い星と近くの君」「home」などの名曲も。


なかでもなかなかライブで聞けなかった(本人もなかなかライブでやらへんよと仰っていた)「夜空のムコウ」が感動的。
この曲にはパーカッションが合う。コンガが似合う。
僕はあちこちで書いているがSMAPの曲は「世界で一つだけの花」よりこちらの方がよほど好きだ。


このライブのために作曲された曲も多くあって、なんだかマイクスターンに川村さんの爪の垢でも煎じて飲めと言いたいくらいだ。
(まぁ万年同じ曲を世界中でやっているスターンも大好きなのだが)


ご自身が言う「夏が苦手」だからなのか、川村さんの楽曲は秋~春までが似合う。
そしてライブを聴く時節も年末あたりがよく似合う。
そして日中よりも夕暮れ時から朝焼けまでが似合う。


MCなんかを聞いていても天才肌の人なんだろうなぁと思うのだが、
楽曲自身は芸術家然としていなくて、落としどころできっちり落としてくれるコード進行と詞なので、初めて聴く曲でもとても聞きやすい。


なかなかこのメンツでライブをやるのは大変だろうけれど、ぜひまたやって欲しい。
そう思わせてくれるライブだった。


ブルースアレイ。
構造上仕方がないことだけれど、前に座っている人以外恐らく誰もが思うであろう真ん中右の柱は邪魔ですな。
その分スクリーンがあるとはいえ。

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Writer:オーシャン

コラムニスト:オーシャン幼少の頃より音楽を始めとしたあらゆるエンターテインメントに触れる機会を持つ。学生時代はフュージョン系サークルにもプレイヤーとして所属。→ [ 詳細 ]

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