幼少の頃より音楽を始めとしたあらゆるエンターテインメントに触れる機会を持つ。学生時代はフュージョン系サークルにもプレイヤーとして所属。→ [ 詳細 ]
2015年10月23日。
John McLaughlin & The 4th Dimension Live at BlueNote Tokyo
John McLaughlin & The 4th Dimension
ジョン・マクラフリン&ザ・フォース・ディメンション
John McLaughlin(g)
ジョン・マクラフリン(ギター)
Gary Husband(key,ds)
ゲイリー・ハズバンド(キーボード、ドラムス)
Etienne Mbappe(b)
エティエンヌ・ムバペ(ベース)
Ranjit Barot(ds)
ランジット・バロット(ドラムス)
<SET LIST>
1.CLAP YOUR HAND
2.GUITAR LOVE
3.GAZA
4.THE JIIS
5.CREATOR HAS A MASTERPLAN
6.EL HOMBRE
7.MISS VALLEY
8.SENOR C.S.
9.MOTHER TONGUES
EC.SULLY
マクラフリン、去年に引き続き4th Dimensionでの登場である。
前回は2014年3月23日だったから、ちょうど1年7ヶ月ぶり。
その時の模様はこちら↓
Live鑑賞 〜 John McLaughlin & The 4th Dimension Live at BlueNote Tokyo
たまたまかもしれないが、今まであまりブルーノートに出てこなかったマクラフリンが1年ちょいで、しかも同じバンドで登場するというのは、よほどこのバンドがお気に入りというべきか、完成度が高いということなのだろう。
事実、マクラフリンミュージックと言っていい一つの型をJazz/Fusion分野において創り、その上でのインド音楽との邂逅を経、さまざまな音楽に対応出来る凄腕4人を率いた4th Dimensionは彼の行き着いた境地なのかもしれない。
それにしてもマクラフリン、73歳とは思えぬほどキレキレである。
確かにお肌や、しわがれた手をみると70代のおじいちゃんなのであるが、弾きっぷりから着ている服からカッコよすぎる。
マクラフリン流のシタールのような早弾きも相変わらずだし、何よりもやっている音楽がエゲつなく、どうしてそこまで!というくらいとんがっている。
競馬におけるサンデーサイレンス系ではないけれど、マイルスデイビス系というかマイルスデイビス直子とも言えるマイルスの弟子たちが、グイグイと現代のジャズフュージョン界を引っ張っている。
特に、、あの60年代後半のビッチェズ・ブリューあたりから70年代初頭のフィルモアライブ、ブラックビューティー、そして大阪でのアガルタパンゲアに至るまでのマイルスの音楽創造の頂上期に一緒に音楽を創造していた連中の強靭度といったらない。
その中でもマクラフリンは孤高で異様な存在感なのよね。
恐らくジョンマクラフリンという人は死ぬまでキレキレの音楽を創っていくのだと思う。
ジャズは観るもの、というのは前々から言っていることだが、マクラフリンのギターはライブで見ないと分からない。
その異様な存在感と風貌込みで、弾きっぷりを観るのだ。
音源では絶対に感じ取れない圧力がそこにある。
そして何と言ってもキモはインド人ドラマー、ランジット・バロットだ。
マクラフリンが一番インド音楽を現代風にカッコよく昇華させている人物だと言えるが、それを支えるのがランジット・バロットである。
今宵も前回同様、難解なインドリズムを駆使して叩き倒していた。
本当にマクラフリンはドカドカと叩き倒すドラマーを好む。
今どき、チャイナシンバルを2つも付けているドラマーはそうそういない。
(しかも1つにはシズルまで付けている)
スネアはメイン以外にタムの位置にスナッピーを付けない状態でティンバレスの様に叩くためのスネアと、サイドスネアの計3つ。
世界でも有数のSONORの使い手と言えるだろう。鳴りがハンパない。
シンバルは前回はSABIANだったが、今回は全てMEINL。
先日のマイケル・ミッチェルもMEINLだったから、ここにきてMEINLが反転攻勢しだしたのか?!
普通にスーパードラマーであるゲイリー・ハズバンドが、キーボードとドラムを縦横無尽に行き来してプレイするのもこのバンドのみどころ。
キーボードも憎いほど上手いし、さらにドラム合戦も見せてくれるのだからたまらない。
タムは置かずフロアタム2個のみ。タムの代わりにティンバレスとカウベルも付けていてランジットとはまた違う味を見せてくれていた。
そして、素晴らしいのがベースのエティエンヌ・ムバペだ。
ベースソロの時もエゲツないソロを取るのだが、注目すべきはバッキングの時で、さりげなくとんでもないことをやっている。涼しい顔で。
ギターのようにベースを弾く男。
曲目は最新作「Black Light」からの曲が大半。
昨年亡くなったパコ・デ・ルシアへ捧げた「エル・オンブレ・ケ・ザビア」も泣かせる。
旧曲では「Little Miss Valley」、そして「It’s About That Time」なども。
蛇足ながら長年ブルーノートへ行っていて、トイレの個室における流す部分が未だに手のレバー方式だったのが不満だったのだが、やっと最新式の便座に変えてくれた。
トイレは重要。
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