Live鑑賞 〜 Michel Camilo & Chucho Valdés “Piano Masters” Live at BlueNote Tokyo

2010年3月31日。

Michel Camilo & Chucho Valdés “Piano Masters” Live at BlueNote Tokyo

Michel Camilo & Chucho Valdés “Piano Masters”
ミシェル・カミロ・アンド・チューチョ・ヴァルデス
“ピアノ マスターズ”

Michel Camilo(p)
ミシェル・カミロ(ピアノ)
Chucho Valdés(p)
チューチョ・ヴァルデス(ピアノ)
Mayra Caridad Valdés(vo)
マイラ・カリダ・ヴァルデス(ヴォーカル)
Lázáro Rivero(b)
ラザロ・リヴェロ(ベース)
Juan Carlos Rojas(ds)
ホアン・カルロス・ロハス(ドラムス)
Yaroldy Abreu(congas)
ジャロルディ・アブレイユ(コンガ)


去年、ブルーノートからこのライブ告知があって以来、楽しみにしていたライブ。
10年くらい前に、モントルージャズフェスでの2人ピアノデュオを見て以来、日本では実現不可能と思っていたが、遂に実現してくれた。


結論から言えば、3月にして、もはや今年のMVPライブを見てしまった感がある。
少なくとも文句なしのMVPライブ候補だ。


今年はすでに6月にパットメセニー、10月にキースジャレットスタンダーズを押さえてあるし、キリンジもライブをするだろう。
でも、それでも、今回のライブはそれらを上回るんじゃないかと思うほど強烈であった。


ピアノマエストロ。
チューチョバルデス、ミシェルカミロ。
もうこの2人の頭を頭蓋骨割って中見てみたい感じである。
得意のフィールドはラテンであるが、ジャズからクラシックから何から、あらゆるジャンルを押さえ、超絶テクニックで弾きまくる。
壮絶なピアノバトルを見せてくれた。


ミシェルカミロは誰もが認める超絶ピアニストである。
が、それでも、好みの問題はあれど、表現力とかダイナミクスの面でさらにチューチョは上をいっていた。


中盤に、それぞれのソロで弾くパートがあったのだが、チューチョのソロパフォーマンスは、激しさも優しさもダイナミックさも繊細さも全て兼ね備え、泣けてきた。
どうしてこんなピアノが弾けるのだ、と。
今年のハイライトはこのピアノソロといっても過言ではない。


2人の競演もとんでもなかったのだが、後半でバンドメンバーが加わって演奏。
これがまた強烈で、チューチョのシスター(多分妹)が登場。
この人が強烈で、出オチもエエところ。
凄すぎる体型なのである。
何等身か分からんほどに太り、五重くらいのアゴ。
ビチクは全開!
強力な髪型。
どこを取っても笑える体型なのである。


それだけパワフルなので、歌はムチャクチャ上手いんだが、それはそれで笑えてくる。

チューチョとカミロの圧倒的なパフォーマンスで、普通は、それ以外の人が出て来ても影が薄れるのだが、マイラヴァルデスは、2人を差し置いて客の視線を奪ってしまった。


さらに、チューチョのバンドメンバーであるコンガ奏者も途轍もなく凄かった。
超高速でポコポコポコポコ叩きまくるし、目がイッっちゃってる。
コンガソロも壮絶であった。

チューチョバンド恐るべし。


そんな訳なので、普通なら圧倒的な存在感とテクニックのミシェルカミロなのに、それを食ってしまうほど、チューチョバルデス、そしてその妹、チューチョのバンドメンバーは強烈であった。
恐ろしい69歳である。
69歳であれだけ弾ける体力、鍛え方もハンパではない。


本当にブルーノートは、演奏する人により、あの空間が様々な色に変化するけれど、今回のライブもまた一生印象に残る、忙しいさなかに行って本当に良かったと思えるライブであった。


感動あり、泣きあり、さらには妹の登場で大いに笑わせてくれて、これだけ様々な感情を味わえるライブも珍しい。
音楽は素晴らしい。

コメントを残す

Writer:オーシャン

コラムニスト:オーシャン幼少の頃より音楽を始めとしたあらゆるエンターテインメントに触れる機会を持つ。学生時代はフュージョン系サークルにもプレイヤーとして所属。→ [ 詳細 ]

アーカイブ

Produced by Get a life