Live鑑賞 〜 Mike Stern Band Live at BlueNote Tokyo 2010

2010年6月2日。
マイクスターンバンド Live at BlueNote Tokyo

Mike Stern(g)
マイク・スターン(ギター)
Randy Brecker(tp)
ランディ・ブレッカー(トランペット)
Richard Bona(b)
リチャード・ボナ(ベース)
Dave Weckl(ds)
デイヴ・ウェックル(ドラムス)

年に一度の「スターン詣で」の日がやってきた。

年に一度は見るアーティストは何人かいるが、
実は、スターンこそが一番多くライブを見ているのではないか。

なにせ1994年に東京に出て来て以来、まず間違いなく毎年見ているし、
高校の時に名古屋ボトムラインでのブレッカーブラザーズのライブも含めると、’93年頃から毎年、丸17年見てきているのである。

aikoをほぼ毎年見ているとはいえ、’93年にはまだデビューもしていないし、
メセニーとて毎年来るわけではない。
そう考えると実は、スターンほど見ているアーティストは他にいないかもしれない。

じゃあCD全部持ってます!というほどに好きなのかというと、
そういうワケでもないのだが、
なんなんだかよく分からないけれど、スターンのライブはやっぱり
「今年も見たい!」と思わせるのである。

で、本人のやることは、’93年からまるで変わっていない。
やる曲も変わらないものが多いし、新曲とて、
相変わらず「せわしない」「落ち着きのない」スターン節全開の曲で、
変わり映えはしない。

それでも見たい!と思わせるんだから、大したものだと思う。
マンネリの極致のはずなのに。

誰かが言っていたけれど、いわゆる「いいとも!のタモさん状態」で、
演奏メンバーを取っ替え引っ替え、しかも一流ミュージシャンばかりを従えてやってくるから、本人が変わらなくても、楽曲は変化するし、見ていられるのである。

ただし重要なのは、スターン自身は常にニコニコであること。
演奏しているのが楽しそう。
57歳とはとても思えないほど若々しく、永遠のギター小僧なのである。
やっぱりこのニコニコは大事。
惹かれます。



☆今年の注目は、やっぱりベースのリチャードボナ。
この人も、もう何度も見ているが、やっぱり飽きない。
演奏しているのが本当に楽しそう。
そして、驚愕のテクニックとアフリカ人独特の音楽性。
ずっと見ていられる。

この人がいるだけで、楽曲がガラッと変わる。
その分個性が強すぎるから、他の人がかなり演奏力がないと、持っていかれる。

ベースのみならず、歌声が本当に綺麗で、
音楽やってる人は、楽器を問わず、一度は見てみるべきアーティスト。
その辺はボビーマクファーリンに通じる所があり、
「音楽って楽しいことだ」って思わせてくれる。

ボナのベースって、ベースの音って感じじゃないんよなぁ。
本人が歌ってる歌がそのままベースに乗せられて音が出てきている感じ。
説明しにくいけど、“音階”通りの音じゃなく、
時にパーカッシブに、
時に音と音の隙間の音を歌うように出してくる。



☆ランディーブレッカー
今年は去年より調子良さそう。
なかなか吹きまくってくれました。
エフェクターをかけた音こそランディーっぽいのだが、
個人的にはエフェクターなしのトランペット本来の音で吹くランディーをもっと見たい。



☆そしてデイブウェックル大先生
相も変わらず、本当に芸術的なドラムを叩きはります。

本人は感性で叩いていると思うんだけれど、
「全部計算通りに叩いているんじゃないか」と思うほど、綺麗に叩く。

御年50歳ですが、まだまだバリバリ。
確かに少しは老けたけど、短髪にして、若々しい。

私は「UPSIDE DOWNSIDE」や「Gossip」や「Chroma Zone」を聞きたいんやけど、なかなか最近ライブでやってくれませぬ。
そろそろ来年は久々にサックス奏者と一緒に来てくれるかな。

その「Chroma Zone」より、ウェックル先生の芸術的なドラムソロ。
なんでこんなに美しく叩けるのだ。
ご本人プロデュースであるSABIANのシンバルが綺麗に鳴る。

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Writer:オーシャン

コラムニスト:オーシャン幼少の頃より音楽を始めとしたあらゆるエンターテインメントに触れる機会を持つ。学生時代はフュージョン系サークルにもプレイヤーとして所属。→ [ 詳細 ]

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