Live鑑賞 〜 Cecil Taylor & 山下洋輔 Live at 東京オペラシティ 2007

中3でJazzに目覚めて以来10数年、数々のミュージシャンを見てきたが、セシルテイラーだけは数少ない「まだ見ぬ強豪」の一人であった。


フリージャズの開祖と言っていい人であり、そうそうライブをやる人でもなく、日本へもそうそうやって来てくれない。


御年77歳で、もう見る事は出来ないとも思っていたが遂にやって来てくれた。
しかもテイラーを師匠と呼ぶ山下洋輔氏との前代未聞のピアノセッションである。
10数年越しの夢がかなった。


2007年2月21日、東京オペラシティコンサートホール。
お互いがチョイスしたスタインウェイのマイピアノが並ぶ。


セシルテイラーはピアニスト。フリージャズの開祖と言われているが、もはやジャズとかそういうカテゴリーわけさえ出来ない。
彼独自の理論でピアノを弾きまくる。
楽譜やら小節やら通常の音楽の常識では全くハマらない音楽。


一応楽譜を見ているのだが、そこには五線譜とか音符は存在せず、アルファベットがぎっしり書かれているらしい。


肘や拳で鍵盤を叩いたりするパーカッシブな奏法で山下洋輔さんも有名だが(ちなみに山下さんはタモさんを発掘した人です。福岡で山下さんがライブした夜のホテルに素人だったタモさんが乱入して芸をやったのがタモさんの芸人人生の始まり。)、その山下さんが師匠と崇める人。
果たして丁々発止の音の洪水が普段クラシックが流れるオペラシティに溢れかえった。


山下さんが汗だくでガンガンピアノを弾きまくっても平然と受け止め、受け流すテイラー師匠。
77歳とは思えぬパワー。
かと思えばかなり繊細な音も弾く。
僕が最初に「なんだコイツは!!」とショックを覚えた30年くらい前の映像から、さすがにパワーダウンしているかと思っていたがさにあらず。全く衰えなし。怖いくらいだ。


適当にピアノを弾いているように見えるのだが、これが真似しようとしても絶対ムリなのだなぁ。
めっちゃくちゃに弾いているようでいて、ちゃんと理論に基づいているから形になっている。これが不思議。


山下さんのソロが2曲。
テイラー師匠のソロが2曲。
休憩の後、二人のセッション。アンコール1回。


自分のソロのあと山下さんが言っていました。
「今日は僕にとって生涯忘れられない日になると思います。その瞬間を見届けて下さってありがとう。」
テイラーがピアノ同士でセッションするなんてそうそうない事なので貴重な瞬間を目撃致しました。


ちなみに気軽に聞ける音楽ではござらんので、手を出すのは覚悟がいります。


これまたこないだブルーノートのスタッフの人に「ミルトンナシメントももう一回見たいですわ~」って話してたらミルトンもゴールデンウィーク前半に来るではないか!!ブラジル音楽界の至宝、神の声。お金貯めよ。

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Writer:オーシャン

コラムニスト:オーシャン幼少の頃より音楽を始めとしたあらゆるエンターテインメントに触れる機会を持つ。学生時代はフュージョン系サークルにもプレイヤーとして所属。→ [ 詳細 ]

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