Live鑑賞 〜 Roy Haynes Quartet Live at BlueNote Tokyo 2007

2007年6月1日。


Roy Haynes Quartet Live at BlueNote Tokyo


Roy Haynes(ds)
ロイ・ヘインズ(ドラムス)
Jaleel Shaw(sax)
ジャリール・ショウ(サックス)
Martin Bejerano(p)
マーティン・ベヘラーノ(ピアノ)
David Wong(b)
デヴィッド・ウォン(ベース)


ロイ・ヘインズ。
ドラマー。81歳。芸歴65年。。。


一緒に行った知人とも言うていたのだが、凄い。
本当にロイヘインズは凄い人だ。
もうそれ以外に形容する言葉がない、変に形容しようとすると逆に陳腐な言葉になる。


こんな元気な81歳。信じられない。
我々が見たライブも1時間半以上のライブ。
それを1日2回。
ステージまで車椅子だったオスカーピーターソンとは違い、当然徒歩。


確かに、彼のドラミングに賛否あるかもしれない。
省エネドラミングでもある、81歳なりに打点を外してしまったりすることもある。
ドラムソロといったドラムソロはない。


でも絶対に曲のスウィング(この場合はグルーヴではないな)は損なわないし、要所要所見せる強烈なパワーショット(一体どこにあんなパワーがあるんだ?と疑問に思うほど)、曲のキメも完璧、ドラムソロがなくてもあれだけ曲中に煽れば誰もがドラムソロがなくても納得する。


現在のロイよりもドラミングそのものの技術が上手い人は世界にゴマンといるだろう。
今日のロイのドラミングを真似出来る人もゴマンといるだろう。
しかしそういうのは超越している。
客に金を払わせるっていうのはこういうことだ!というドラムを叩く。
プロとはこういうものだ、というドラミング。


なにせチャーリーパーカー、バドパウエル、ジョンコルトレーン、マイルスデイビス…数え上げたら枚挙にいとまがないほどのジャズジャイアンツと共演してきているのだ。
凡百のドラマーが束になっても叶わないキャリアがあるから、もう叩いている姿を見ているだけで幸せになる。


数々のドラマーが逝ったし、エルビンジョーンズの晩年も見たが、パワーで押していたドラミングだっただけに衰えを見た時にキツかった。
こうなってくると「生き残っていたもの勝ち」の様な気もしてくる。
ロイのドラミングは81歳にして往年と変わらず、現在進行形だ。
だからチックコリア、パットメセニー、ケニーギャレットといったバリバリの現役とも未だにやり合える。


そして久々に普通のジャズを聞いた。
完全な4ビートジャズは久々だったので逆に安心して聞けた。
特にメセニーの「James」をやってくれたのは泣けてきた。
Jamesもメセニーバージョンと違って、これまた賛否両論あるカチカチしたJamesなんやけど、もう全てを超越して生で見ると「許して」しまう。
ロイはこの曲好きなんやな~と感動すらしてしまう。


一緒に来た若手のサックス、ピアノ、ベースも頑張っていた。
まとまりのあるいいバンド。


サイン会はなかったが、最終日の最終セットだったので、客が引いたあとドラムの片付けのためにロイが再び出てきた。
そこで再び逢えた。神の手と握手。


本人は常に御陽気で、年齢の事とかこっちがびっくりしてるとかそういうことは全く意に介してないだろう。
常に前を向いている。だからこの年齢まで叩けるのだ。
81歳になった時、ロイヘインズの様に御陽気に、そして時折パワフルにドラムを叩いていたい、ああいうジジぃになりたい、と本気で思ったし、年齢の事を考えるたびに今日の夜のロイを思い出すだろう。。。

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Writer:オーシャン

コラムニスト:オーシャン幼少の頃より音楽を始めとしたあらゆるエンターテインメントに触れる機会を持つ。学生時代はフュージョン系サークルにもプレイヤーとして所属。→ [ 詳細 ]

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