Live鑑賞 〜 THE SYNDICATE Live at BlueNote Tokyo 2012

2012年7月8日。

THE SYNDICATE
-80th birthday celebration of Joe Zawinul- Live at BlueNote Tokyo

Emile Parisien(sax)
エミール・パリジャン(サックス)
Munir Hossn(g,b)
ムニール・ホッスン(ギター、ベース)
Thierry Eliez(key)
ティエリー・エリス(キーボード)
Paco Sery(ds)
パコ・セリー(ドラムス)
Sabine Kabongo(vo,per)
サビーヌ・カボンゴ(ヴォーカル、パーカッション)
Jorge Bezerra(per)
ジョルジュ・ベゼーラ(パーカッション)

<セットリスト>
1.Overture〜THE SEARCH
2.GIBRALTAR
3.THEY HAD A DREAM
4.VICTIMS OF THE GROOVE
5.TUDO BALA
6.BALLAD FOR TWO MUSICIANS
7.MADAGASCAR
8.Percussion solo〜ZANSA
9.NUBIAN SUNDANCE
———————–
(encore)
10. BIMOYA


7月段階で今年のMVPライヴに出くわした。


病気療養のため前日まで入院し、退院したてだったのであるが行って大正解


ジョーザヴィヌルのバンド「ザヴィヌルシンジケート」出身者によるもので、御大は亡くなっているだけに客は少ない。


しかし、こういうライヴにこそ掘り出し物はあるのだということを痛感。
そんでまたこういうライブに限って料金が半額だったりするのである。


メンバーに手抜きは一切なし。
実質的なリーダーであり、ライヴを引っ張っていたドラムのパコセリーは大活躍であった。


私自身も彼のドラム見たさにライヴに足を運んだのであるが、
戦前の予想通りドラミングは“荒く粗い”。
アフリカ系特有というべきか、パルス一発で叩きまくる感じ。
ブライアンブレイドも同じくパルスで叩きまくるけれど、もう少し繊細さがある。
パコセリーはもっと粗い。
でも、でも、、むちゃくちゃそれがカッコいいのである。


この叩きっぷりが全ての音楽に当てはまるとは思わない。
しかし、ザヴィヌルの音楽とはガッツリとハマるのである。


ドラミングも素晴らしかったが、特にライヴ中盤「zansa」でのカリンバのソロ~カリンバとパーカッション、ベース、キーボード、サックスとの掛け合いは見事の一言。


正直申しまして
「カリンバ欲しい」とまで思わせてくれた。
(実際にライヴのあと、ジャパンパーカッションセンターにカリンバ見に行っちゃいましたわ)


↓カリンバ



さて、ジョーザヴィヌルという人の音楽は、唯一無二。
Jazzとかフュージョンとかの枠ではおさまらぬ、
民族的であり、スペーシーであり、
まぁ一言で言えば「おもしろい音楽」である。


一歩間違えるとエレクトリックマイルス的なところまで行きかねない雰囲気を持ちつつも、
あそこまで「どこまで行くか分からない感」はなく、統制が取れ、メロディアスである。
(この場合のエレクトリックマイルスとは晩年のポップなマイルスではなく、
アルバムでいうと「ビッチェズブリュー」〜「アガルタ」とか「パンゲア」、「ライブ アット フィルモア」なんかの時代ね。)


だからこうして御大が亡くなっても再現可能なのだ。
マイルスの音楽は簡単には再現不能。
この場合、再現可能か不可能の良否ではなくて、
ザヴィヌルが再現可能な音楽を残してくれたことに感謝なのである。
(もっともエレクトリック時代のマイルスのコピーは御大無しであんまり聴きたいとは思わない。疲れる。。。)


客が少ないとはいえ、しっかりと音楽を聴きたい客が集まったからか、
ライヴ自体は大盛り上がりで、ヴォーカル&パーカッションのサビーヌカボンゴは、途中涙を流す場面も。


座って聴いているのに1曲目から汗をかいてしまう。
いいライヴの証である。
今回は1曲目~2曲目のジブラルタルまでの流れがむちゃくちゃカッコよくて汗かいちゃいましたわ。


もちろん個人の感想であり、万人が聴いて気持ち良いとは思えないけれど、
楽器好き、
フュージョン/ワールドミュージック好きには堪らないのは保証できる。
そして、何より「音楽は観るもの」であるとするならば、
秘密兵器満載のパーカッショニストがいるこういうライヴは観ていて本当に楽しく、飽きない。
だから全編通して楽しめて、今年のMVPライヴ候補なのである。


ちなみにパーカッション。普通のゴミ袋までパーカッションとして使用しておりました。
ツッコミ所満載。
気持ちいいし、カッコいいし、泣けるメロもたまにあるし、視覚的楽しさとか笑いもあるという良いライブの典型例。

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Writer:オーシャン

コラムニスト:オーシャン幼少の頃より音楽を始めとしたあらゆるエンターテインメントに触れる機会を持つ。学生時代はフュージョン系サークルにもプレイヤーとして所属。→ [ 詳細 ]

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