Live鑑賞 〜 Chick Corea & John McLaughlin Five Peace Band Live at BlueNote Tokyo 2009

2009年2月6日。

Chick Corea & John McLaughlin Five Peace Band Live at BlueNote Tokyo

とんでもないバンドがやってきた。


今回はブルーノートのポイントが貯まっていたことによって
「ポイント招待制は値段の高いライブで使え!」の鉄則通り、今年三度目となる“無料でライブを楽しむ”という機会に恵まれたのだが、正規料金を払ってもいいや!と思えるほど、満足のライブであった。


メンバー全員が一国一城の主。
一人一人がリーダーで来ても見に行きたいくらいのメンツである。


Chick Corea(p,key)
チック・コリア(ピアノ、キーボード)
John McLaughlin(g)
ジョン・マクラフリン(ギター)
Christian McBride(b)
クリスチャン・マクブライド(ベース)
Kenny Garrett(sax)
ケニー・ギャレット(サックス)
Brian Blade(ds)
ブライアン・ブレイド(ドラムス)


中でも要注目は、ジョンマクラフリン。
僕が大学2年くらいだったか、旧ブルーノート東京でのフリースピリッツ以来、待望14年ぶりのブルーノート出演である。
待ちに待ってやっとやってきてくれた。


今日は、朝早くから所用で出ねばならず、その足でかなり早くからブルーノートに並んだため、11時過ぎから並んで無事一番をゲット。
もう二度とないであろう、巨匠達のライブをまさに目の前、かぶりつきで見る事が出来た。
なにしろ昨年暮れのヨーロッパツアーでは、大ホールばかりを埋めてきたバンドである。
世界唯一のクラブ公演。これを目の前で見ない手は無い。


客も超満員。
ソールドアウトで立ち見もいる。


さて本来、このバンドのドラマーはヴィニーカリウタであった。
が、そのヴィニーは奇しくもこの期間だけジェフベックに付いているので、アジアツアーのみブライアンブレイドに変更。


確かにヴィニーバージョンのこのバンドも聞いてみたかったが、ブライアンとて人気ドラマーなわけで逆に言えばブライアンバージョンのこのバンドは希少価値のあるライブと言える。


正味2時間くらいはやってくれただろうか。
ついこの前1時間そこそこで演奏を終えて引き上げたクリスチャンスコットとは訳が違う。
1曲目から各個人個人がソロをぶっ飛ばす。


アンコールが珠玉でしたね。
’60年代後半から’70年代にかけてのマイルスデイビスの初期エレクトリック時代を知っている者としたら泣けてきました。


ある意味マイルスが一番尖って、ジャズオヤジ達の意見をものともせず、自分のやりたい音楽をやるがために猪突猛進、突っ走っていた頃の曲…
「It’s about that time」を、その当時マイルスと共演していたチックとマクラフリンが目の前で演奏している!
そして晩年のマイルスを支え続けたケニーギャレットのサックスがコルトレーンばりに咆哮する!!
それをしっかり支える当代きってのベースマン・マクブライドと煽り倒すブライアンブレイド。
感涙ものでありました。


ジョンマクラフリン。
この人の存在感は凄い。チックすら子分に見えてしまうリーダーとしての存在感。
そして御歳69歳ながらまだまだ“上手く”なっていってる気がする。
たたずまい、弾きっぷりがかっこいい。
好き嫌いは分かれるだろうけど、僕は好きなミュージシャンです。
ソロのツボも心得てる。


チックコリア。
この人がブルーノートに来る時は、まず自分がリーダーで間違いないのだが、今回は双頭バンド、というよりもバッキング重視の感じであった。
マクラフリンに指示されるなんて時も。。。そんなチックはなかなか見られない。
自分以外のメンバーにも安心しているからか、かなり余裕が感じられてそれがまた良かった。
ブルーノート常駐のスタインウェイのピアノを弾かず、キーボード2台も含めて全てYAMAHA。


ケニーギャレット。
もう何度も書いているがケニーのライブにハズレなし。
絶対にソロ中に「イッて」くれる。
壮絶なソロ、咆哮を見せてくれる。今夜も爆裂だった。


クリスチャンマクブライド。
この人がバンドの要。
ともするとブライアンがどこかへ飛んで行ってしまいそうなドラミングのため、この人がどっしり構えているから安心感がある。
と言ってもメンバー中一番若いんだけど。
フレットレスベースを弾かせても上手いし、何やらせても上手いんだよなぁ。
参るわ。


ブライアンブレイド。
トップドラマーでありながら、実は僕は今回初めて拝見した。
いや~いいっすわ。
本当に体から自然に出て来るパルスで演奏してる感じ。
各人のソロを煽り倒す。
情熱的な、黒人特有のドラミング。こういうの好きです。



ポーランドでのライブ。
どんだけキメがあんのだ!
どんだけユニゾンすんねん!!




ファイヴ・ピース・バンド・ライヴ

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Writer:オーシャン

コラムニスト:オーシャン幼少の頃より音楽を始めとしたあらゆるエンターテインメントに触れる機会を持つ。学生時代はフュージョン系サークルにもプレイヤーとして所属。→ [ 詳細 ]

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