幼少の頃より音楽を始めとしたあらゆるエンターテインメントに触れる機会を持つ。学生時代はフュージョン系サークルにもプレイヤーとして所属。→ [ 詳細 ]
2015年2月13日。
“ルパン三世・THE JAZZ”「大野雄二(piano)トリオ」
大野雄二(piano)
井上陽介(bass)
江藤良人(drums)
新宿のジャズスポットJは、早稲田のダンモ(モダンジャズ研究会)の有志によって1978年にオープンした老舗ジャズクラブ。
タモリさんも取締役宣伝部長として中心人物の1人である。
故 赤塚不二夫さんも常連だったという。
夜な夜な日本を代表するジャズミュージシャンたちが集ってライブを繰り広げている。
そんな昭和の空気が漂う店内だけれど、当たり前だが客層は現代なので、いわゆるドジャズ、とりわけジャズ親父ばかりが集っているというわけではなく、入ってみれば落ち着く空間。
(とはいえ、扉を開けるのはジャズクラブの空気を知らないと勇気がいるかも)
今宵の演奏は大野雄二さんのトリオ。
大野雄二。
知っている人には「当たり前」の有名人。
名前を知らない人でも、ある程度の年齢の人ならこの人の音楽を聴いたことがない人はいないのではないか。
ルパン三世のテーマを作った張本人である。
どうしてもルパンが前に出てしまうが、映画/テレビ/CM、、、この人の作曲した曲は枚挙に暇がない。
ルパンと聴けばあのテーマとともに思い出してしまうほど、曲のキャラ立ちっぷりたるやスゴいものだし、何度聴いても飽きのこない旋律なのだが、筆者が最も好きなのは松田優作さんの映画「遊戯シリーズ」のテーマ曲である。
ヤクザとか汗臭さとかとは違う男、ニヒルな男を表すテーマを作らせたらこの人の右に出るものはいないのではないか。
もっともっと功績を讃えられるべきアーティストだと感じている。
その上で、ジャズピアニストとしても超一流。
御年73歳、もうすぐ74歳だけれど、精力的に全国でライブ活動をこなし、今宵もガンガン弾きまくっていた。
元気いっぱいである。
演奏はジャズのスタンダードやご自身作曲のものまで幅広く。そして聴きやすく。
本人演奏のルパンのテーマをジャズピアノトリオバージョンで聴けたのは嬉しいの一言。
ベースの井上陽介、ドラムの江藤良人両氏も日本の俊英だから安心して聴ける。
井上さんのベースは以前、塩谷哲トリオで見て、一発で気に入った。
弾きっぷり、弾いている顔も含めてカッコいい。
いや、それは失礼を承知で言えば、ベースを弾いてなければただの親父さんとも言えるのだけど、ベースを楽しそうに(でもやっていることはテクニカル)弾いている様がカッコよすぎる。
目立ち過ぎないのもいい塩梅。
ついついドラムを見てしまう筆者なのだが、井上さんのベースは「見てしまう」ベースである。
江藤さん、まだ40過ぎなのに円熟味ある(?)ドラミングでエルビンジョーンズの現代版のよう。
カノウプスのドラム(自身のシグネチャースネアで)がよく歌っていた。
筆者と同じ三重県出身。
鈴鹿だそうで、井上さんのカルテットで3/1鈴鹿のジャズクラブ「どじはうす」にも行くそう。
間違いなく今の日本の4ビートジャズを支える1人。
ナベサダさんも80を越えてムチャクチャ元気に日本と世界を飛び回っているし、音楽は人を老けさせないのか。
大野さんもまだまだずっと現役で弾きまくってほしい。
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