幼少の頃より音楽を始めとしたあらゆるエンターテインメントに触れる機会を持つ。学生時代はフュージョン系サークルにもプレイヤーとして所属。→ [ 詳細 ]
Matthew Garrison Trio featuring Scott Kinsey & Horacio “El Negro” Hernandez
“Tribute to JOE ZAWINUL” Live at BlueNote Tokyo
マシュー・ギャリソン・トリオ・フィーチャリング・スコット・キンゼイ&オラシオ”エルネグロ”エルナンデス
“トリビュート・トゥ・ジョー・ザヴィヌル”
Matthew Garrison(b)
マシュー・ギャリソン(ベース)
Scott Kinsey(key)
スコット・キンゼイ(キーボード)
Horacio “El Negro” Hernandez(ds)
オラシオ“エル・ネグロ”エルナンデス(ドラムス)
そこそこ“濃い”フュージョン好きじゃないと喜ばないプログラム。
よくぞこのプログラムを組んでくれたぞ、と思う。
僕にとっては数年ぶりにブルーノートにやってきてくれたスーパードラマー、オラシオ“エルネグロ”ヘルナンデスが最大のお目当てである。
あとの2人もベースのマシューギャリソンは、ジョンコルトレーンの黄金期を支えたベーシスト、ジミーギャリソンの息子。
そしてスコットキンゼイは、これまた僕の好きなトライバルテックのキーボーディストとしても活躍。
といった感じで凄腕揃いである。
もはや「スクエアが好きです」「カシオペアが好きです」レベルのフュージョンファンでは付いていけない音楽。
なにしろ「ザヴィヌルトリビュート」なのである。
だからといってザヴィヌルのメジャーな曲は一切やらないという構成。
「バードランド」も「マーシーマーシーマーシー」もウェザーリポートの曲も一切やらない。
ほぼ、客を喜ばせる演出もない。
まさに「聴く側を選ぶ音楽」とはこのことだ。
付いてこれるヤツだけ付いてこい、みたいな感じだ。
スコットキンゼイなんか完全に「スタジオミュージシャン」の風貌やもん。
しかし、僕にとっては大満足のライブであった。
なにしろオラシオが目の前で叩いてくれるだけで大満足である。
そのオラシオのドラミング。
色んなドラマーがいて、みんな上手くて個性があって、みんな「お金を払って見れるドラマー」である事は重々承知の上で書くが、やはりここ数年見てきたあらゆるドラマーの中で、一番の超絶テクニックであった。
オラシオは他のあらゆるドラマーの真似は出来るが、オラシオのドラミング技術を他の人が真似るのはかなり厳しい、と言っても過言ではない。
とにかく見ていて飽きないし、気持ちがいい。
むちゃむちゃテクニカルでパワフルでスピーディーで、且つブレない。
そしてドラミングが本人の表情も含めて明るい。
そして、今日に関して言えば、オラシオが一番得意とするラテン系のリズムは一切やっていないのである。
それでも凡百のドラマーが束になってもかなわない凄さがある。
イケイケドラムの真骨頂。
左足一本で、ハイハット、バスドラ、クラーベを同時に踏み分ける。
もちろん、それ意外の手足は全く別の動き。
どんなリズム感をしとんのだ[m:75]
まったくもって恐るべし、キューバ人である。
キーボードのスコットキンゼイは、晩年のザヴィヌルのキーボードの音を作っていたらしく、だから当然の如くザヴィヌルと音が一緒。
ベースのギャリソンと共にMacを導入して打ち込みも兼ねて縦横無尽で動いておりました。
最期の方でバイオリンのSAYAKAさんが飛び入りで一曲参加。
僕はこの方を知らなかったのだが、香月さやかという人で、キューバで研鑽をずっと積んでいた人のようだ。
今年メジャーデビュー。
今までの共演歴からいっても、トリオの3人とやりあうのも自信満々で見ていて安心して見れた。
メジャーな曲は一切やってない(僕も知らん曲ばっかり)んだが、基本的にはザヴィヌルの曲を中心としたセッションっぽい感じで、まさに“濃い”フュージョン好き、楽器好き、ザヴィヌルの音好きにはたまらんライブでした。
終了後、サイン会。
僕は当然の如く自分のCDにオラシオにサインを貰い、ブルーノートの人に通訳を頼んで「あなたが来るのを数年待ってたんすよ!」などと伝えて頂く。
オラシオは明るい人柄なので「おぉ~~スマンスマン」と。
そして、なんでか分からんのだが、数年ぶりに会ったにも関わらず、サインを書きながらオラシオは「君はドラマーだったよね?」と覚えていた。
「TAKUMA」という名前に覚えがあったのかもしれない。
“Drums are life”
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