幼少の頃より音楽を始めとしたあらゆるエンターテインメントに触れる機会を持つ。学生時代はフュージョン系サークルにもプレイヤーとして所属。→ [ 詳細 ]
Jazzの巨匠たちの死はかなり大物になれば一般紙にも訃報として載るが、そうでなければこちらから探そうとして探さなければ埋もれてしまうので困ったものである。
まだしも、ブルーノート東京がゆかりのあるミュージシャンに関してはHPやFacebook上で流してくれるからいいものの。
先日はヴィブラフォンの名手 ボビーハッチャーソンが世を去ったとの報が入った。
【訃報】ボビー・ハッチャーソン氏=米ジャズ・ビブラフォン奏者
ヴィブラフォン奏者の中では一番多く聴いている人かもしれない。
ヴィブラフォンジャイアント ミルトジャクソン以上に。
ライブを初めて見たのは,1995年。
10/2〜7まで今とは違う場所にあった頃のブルーノート東京。
マッコイタイナーのトリオでゲスト出演した時だ。
その時のライブ詳細は記録に残っていないが、まだマッコイもボビーも絶好調の頃で、本場のジャズ全盛期を生き抜いてきた2人の丁々発止のやり取りはモーレツにカッコよかったことは覚えている。
そして演奏以上に強烈に脳裏に焼きついているのは、終演後。
エントランスで待っていたら、長身のボビーがカバン1つを手に持って、スーツを着、颯爽と去っていった姿である。
いわゆる「紳士」を絵に描いたような、ジャズミュージシャンかくあるべき!!という格好良さだったことを覚えている。
ボビーのバイブはミルトジャクソンみたく黒くなく、かと言ってゲイリーバートンやマイクマイニエリといったクリスタルな響きとも違う、いわばその中間のような色彩があり、且つ透明感もある。
だからハードバップの音色にマッチしていくのであるが、一方で激しさも持ち合わせていて、なんというかそのミックス感がぼくは好きだった。
代表作にはどうしても「Happenings」であったり、エリックドルフィーの「Out to Lunch」であったりが引き合いに出されるし、それらはそれらで好きなのであるけれど、やはりぼくの中ではマッコイタイナーとの相性が抜群に思える。
黒すぎず、野性味もあるという点で、ぼくはマッコイの「Time for Tyner」の中に収録されている「African Village」が大好きだ。
モード演奏バリバリなのがカッコイイ。
マッコイ&ボビーが元気さと円熟味の両方と兼ね備えた「African Village」の演奏。
3分すぎからのボビーのソロはさすが。
また、6月にピアニストのドン・フリードマン、そして22日はハーモニカの巨匠 トゥーツ・シールマンスの訃報も入ってきた。
ドンフリードマン、たった1曲「サークルワルツ」をやはり生で聴いておきたかったなぁ。
サークルワルツって、主旋律があるようでない、ないようである、不思議な楽曲。
盛り上がりが特にあるわけでもないのに聴いているととても落ち着いた気分になるし、でもずっと聴いていられる。
本当に染み入る曲。
Circle Waltz — The Don Friedman Trio 東京コットンクラブでの演奏より
トゥーツに関しては、今となってはドンフリードマンと同様、あれだけブルーノート東京で演奏しに来てくれていたのに1度みておけば良かったと思っている。
邪道かもしれないが、ぼくとしてはPat Methenyの愛聴盤「Secret Story」における「Antonia」での美しい旋律が印象に残っている。
3人ともアルバムの中の音としてこれからも永劫、遺っていくだろう。
ありがとうございました。合掌。
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