幼少の頃より音楽を始めとしたあらゆるエンターテインメントに触れる機会を持つ。学生時代はフュージョン系サークルにもプレイヤーとして所属。→ [ 詳細 ]
2013年6月9日。
FUJITSU CONCORD JAZZ FESTIVAL 2013 “Jazz At The Philharmonic” Tribute to Norman Granz at BlueNote Tokyo
富士通コンコード・ジャズ・フェスティバル 2013 東京公演
“ジャズ・アット・ザ・フィルハーモニック” ノーマン・グランツに捧ぐ
■Trumpet Workshop
Randy Brecker(tp)
ランディ・ブレッカー(トランペット)
Terell Stafford(tp)
テレル・スタッフォード(トランペット)
■Tenor Madness
Harry Allen(ts)
ハリー・アレン(テナーサックス)
Grant Stewart(ts)
グラント・スチュワート(テナーサックス)
■Alto Summit
Charles Mcpherson(as)
チャールズ・マクファーソン(アルトサックス)
Seiji tada(as)
多田誠司(アルトサックス)
■Drum Battle
<Jeff Hamilton Trio / ジェフ・ハミルトン・トリオ>
Jeff Hamilton(ds)
ジェフ・ハミルトン(ドラムス)
Tamil Hendelman(p)
タミル・ヘンデルマン(ピアノ)
Christoph Luty(b)
クリストフ・ルティ(ベース)
<Lewis Nash Trio / ルイス・ナッシュ・トリオ>
Lewis Nash(ds)
ルイス・ナッシュ(ドラムス)
Renee Rosnes(p)
リニー・ロスネス(ピアノ)
Peter Washington(b)
ピーター・ワシントン(ベース)
■Guest Vocal
Roberta Gambarini(vo)
ロバータ・ガンバリーニ(ヴォーカル)
<セットリスト>
☆Alto Summit&Lewis Nash Trio
1.Billie’s Bounce
2.Body And Soul
3.Darn That Dream
4.A Night In Tunisia
☆Lewis Nash Trio
5.Duke
6.You And The Night And Music
☆Trumpet Workshop&Lewis Nash Trio
7.September In The Rain
8.What’s New
9.Tin Tin Deo
☆Tenor Madness&Jeff Hamilton Trio
10.The Shadow Of Your Smile
11.Where Or When
12.Lester Leaps In
☆Jeff Hamilton Trio
13.Poinciana
14.I Love Being Here With You
☆Roberta Gambarini&Jeff Hamilton Trio
15.Nobody Else But Me
16.Estate
17.Fly Me To The Moon
<Encore>
☆Drums Battle
18.Salt Peanuts
☆All Members
19.Perdido
富士通コンコードジャズフェスティバルの第一回は1986年だから、僕はまだ小学生だった。
Jazzを本格的に好きになったのは中学3年生、好きになってからはスイングジャーナルなんかを読みあさったものだ。
だから、このジャズフェスをやっていること自体は昔っから知っていたが、実際に観るのは初めて。
どうしても、ブルーノートを始めとする小さなハコで間近にJazzを味わうことに慣れてしまうと、大きなハコでは見られなくなってしまう。だから行った事がなかったわけである。
結果としては、この公演をこうした小さなハコでやったことは大正解だったと思う(地方では大きなホールで公演したところもあるようだが)。
やはり楽器の音圧や奏者の呼吸を肌で感じられる距離じゃないとね。
とりあえずの僕の目当てはルイス ナッシュのドラミング。
昨12月のロンカータービッグバンドでも見たが、あの時はビッグバンドの演奏だっただけに、ドラムの見せ場も少なく、ルイスの個人的なプレイとしては不完全燃焼気味だった。
客入りとしては8割程度といったところか。
先日のパットメセニーなんかだと朝から並んでも入場が10番目以降だったり徹夜組までいたことを考えると、今回はチケット配布時間の30分くらい前でも5番以内で入場出来る感じ。
圧倒的に客の年齢層も高い。
ライブを見ていて、僕はブルーノートの原風景を見ているような気がした。
思えば、こんなドJazz、こんなド スタンダード曲オンパレードをブルーノートで聴いたのはいつぶりだろう。
ブルーノートはジャズクラブである。
しかしながら、ここ最近、いわゆるジャズの演奏をこのクラブでは見ていない。
僕が最近ここで見ているアーティストは皆、それはジャズの文脈上にある人たちばかりなんだけれども、みんなそれぞれやっぱり芸術家肌の部分はあるわけで、昔ながらのジャズスタンダードをそのまま演奏するという事はまずない。
その昔、ブルーノートがオープンした頃はまだジャズジャイアント達も生きていて、そういう演奏も聴かれた筈。
でももう彼らは天に召された。そして、ブルーノートではいつしかジャズを普通に聴くことが出来なくなった。
だから、そういういわゆる「ジャズクラブでジャズを聴く」という至極当たり前の風景を久々に見られたし、聴けた。
それはそれで、やっぱり落ち着くし、安心して聴いていられる。
ただ現実問題として、こういう演奏だけで客が呼べるか、というと正直厳しいと思う(だったら都内の他のライブハウスに行けばもっと安く見れるワケやしね)。
その意味で、こうして多種多様な楽器の、それなりのメンツを揃えて、コンピレーションアルバム的に(悪く言えばつまみ食い的に)見せてくれるこの企画はブルーノートでこそ、もっとやって欲しい企画だし、成功したと言えるのではなかろうか。
個々のミュージシャンについて少し。
もう1人のドラマー、ジェフハミルトンは今回初見。
なるほど、白人ドラマー!って感じ。デカくて安定感があるので、こういう人に後ろからスウィングされれば、共演者は気持ちよく演奏出来るだろうなと思う。
ランディーブレッカー。
最近、毎年のように6月にブレッカーを見ている。
この4〜5年は毎年マイクスターンバンドで。今年はスターンが8月で、しかもランディのクレジットはなかったから見られないと思っていたら、こっちに来た。
でもスターンの時と違い、今回はグラサンもせず、初めてスーツを来ているのを見た(ただし、腹が出過ぎているのでボタンが締められない)。
そして、得意のエフェクターも付けず、ドジャズのソロを取る。そんなランディ。
弟死して随分経つが、まだまだ健在である。
ピアノのリニーロスネス。
この人もさんざんあらゆる所で名前を見てきたり、聴いたりしてきたが、初見。
もっと痩せてると思っていたが太っていた。この人、痩せて、もっと若ければ、可愛らしいピアニストなのにねぇ。
ソロイストの邪魔をせずに淡々とピアノを弾いていた。もちろん上手い。
ボーカルのロバータガンバリー二。
今回唯一のボーカリスト。
毎度、ブルーノートに出てくるボーカリストに思うことだが、皆、圧倒的に歌が上手い。
この人もご他聞に漏れずよく声が出る。音域も広い。
そこらの日本のアイドルとはワケが違う。
そこそこ歳をとっていると思うけど、脚は若々しい。細い。でも上半身は太い。
よくヒール履いてあれだけパワー出して歌えるなぁと思う。
今回は、アルト/ペット/テナーとそれぞれ出てきたが、特にアルトの多田誠司さんとチャールズマクファーソンがしっかり音が出て良かったなぁ。吹きまくる。
ペットのテレルスタッフォードも吹きまくっていていい塩梅。
基本的に白人が多い編成だったので、ハリーアレンといいグラントスチュアートといい、上手いんだけど白人ぽい。黒さとか粗さはない。
この人達だけの単独ライブだったら、僕の趣味からいくと多分見に行かないので、そういう意味でこうしてまとめて見られるのはお得なんである。
さて、お目当てのドラマー ルイスナッシュ。
この日も大活躍であった。黒人ドラマーなのだが、黒っぽさ/荒っぽさを残しつつも、ジャズの王道をいくドラミング。端正。
ジェフワッツやブライアンブレイドみたいに「オレが!オレが!!」と前へ出たり、煽りまくることはない(そんな彼らも好きだけど)。
この人のドラミングみたいなのを何年かに1度は浴びたくなるのよね。
端正な中のダイナミクス、ハイハットのシュパシュパ加減。これはライブじゃないと味わえない。
ドラムは、日本のメーカーサカエドラム。
演奏曲は、これまた昨今のブルーノートではなかなか聴けないジャズの王道スタンダードばかり。
ビリーズバウンスに始まって、ボディ&ソウル、チュニジアの夜、あなたと夜と音楽と、等々、なんだか聴くと泣けてもくる。
今回は一番前の席だったのだが、まさに砂かぶりならぬツバかぶりの席で、実際には飛んでこないとはいえホーンから飛び散る霧が見える席だったのだが、結果的には一番良い席に座れた。
というのは、アンコールの時、ルイスナッシュとジェフハミルトン、世界のジャズトップドラマー2人がまさに僕の目の前でスネアだけでブラシを使ってドラム合戦。
これは贅沢。
曲はディジーガレスピーのソルトピーナッツ。スネアだけだけど、ちゃんと曲になるからね。
ごちそうさまでした。
この企画、もう1度書くが、来年もブルーノートで開催して欲しい。と思える好企画だった。
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