10年ぶりのカラマーゾフの兄弟

10年ぶりにドストエフスキーのカラマーゾフの兄弟を読んでいる。
今回は読みやすいと評判の亀山訳。
確かに読みやすい。

訳し方もわかりやすいのかもしれないけれど、感じるのは字の細かさが解消されていること。

前回読んだ原訳の新潮文庫は上中下の3巻
今回のは4巻プラスエピローグ1巻の5巻
単純にスペースが広い。

以前に途中で挫折した岩波の米川訳も4巻だけど、それは自分の力不足だったのかもしれぬ。まだ若かった…。(通常古典作品等は、だいたい岩波版で読むことが多い)

(余談ながら最近、これまで挫折しまくった資本論もなんとか5巻まで読んだ。難しいのでこれを読みこなすための指南本、解説本も3冊読んだので、えらく時間がかかったけど…)

今回、10年ぶりにカラマーゾフの兄弟を読んでいて思うのは。
「おもしろい!」ってこと。

この10年、現代社会を理解するには制度というだけでなく、文化という広い意味も含めてキリスト教文化の理解が必要(なにせ西暦ひとつとっても法律ひとつとっても先進国のそれはキリスト教の仕組みが礎であるのだから)と思い、それなりに勉強したことが行間を読める原因かもしれない。

しかしながら、そんなことはおいたとしてもいろんなことが心にひっかかるのである。

なにせ、第3部7編で泣いてしまったくらいである。
(そういう本でないことは承知している)

この数ヶ月で、私生活を含めていろいろとあって以前より生きることの意味がわかってきたと感じている。

なんというか、一皮むけた感じ。

これからもいろいろと悩むだろうけれど、生きていることについて非常にすっきりと迷いない感情で今は満たされている。

さて、10年後またカラマーゾフの兄弟を読むとき。

私はどんな気持ちでいるのだろうか。

考えてもよいことしか浮かばない。

これから、これまでの集大成としての経験をひっさげ、人生を楽しみ尽くしてやろうと思っている。

青木 真行

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