あんぱん

中学生の頃の話

小学生の頃の友人が中学に上がってからも真面目に吹奏楽部で活動していた。

朝も夜も練習しているのに、彼らは総じて勉強もできる。

私も小学校の頃はトランペットの練習で朝早くから学校に行った記憶がある。

その友人から聞いた話をなぜか、昨日の晩思い出した。

もう30年近く前の話。

友人と吹奏楽部をともにする女の子がいた。

成績優秀で、みんなからも慕われていていまでいう天然キャラのようなおっとりした子らしい。

彼女はあんこが苦手な体質で、あんこを食べるとひどい腹痛を催すらしい。

それなのに、彼女はあんぱんが好きだった。

しかも相当大好き。

吹奏楽の普門館をめざし日々練習する日々。

予選を勝ち進み

さらに上の大会前の大切な日

彼女は止める友人の反対を追しきりあんぱんを食べてしまった。

当然、トイレに駆け込み大変だったらしいが、なんとか演奏中は乗り切った。

この話に落ちはなく、ただ私はこのエピーソードが好きである。

人間の本質とは、決して合理的なものではない。

合理的な計算ではなく、結果がわかっていても食べたいものは食べたい。

やりたいことはやりたいのである。

当然やりたくないことはやりたくない。

とてもシンプル。

食べたい! 結果を知ってても、トイレいけばいいじゃん!なのである。

限りある人生の中で、結局自分のやりたいことをやることが一番で、

それをできる人が好きである。

自分は真面目ではないと言いながら、実は真面目な頭の四角い人が多いけれど、

誰もが真面目な優等生と思うおとなしい女の子のそんな一面を見ると

ひどく好感がもてるのである。

雑談でした。

 

青木 真行

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