鉄のハート

まだ冬の張りつめた空気の中運河にかかる橋を渡る。

ほんの少し海の香りがする。

すぐ目の前の頭上をモノレールが通りすぎていく。

ありったけの気持ちをもってこの街に来た。

人はあんな気持ちをいくつ持てるかで、幸せが決まるのだと思う。

自由にはリスクが伴う。

緊張感。自由を得た喜び。

目の前を白人がジョギングしている。

スーツをきた人たちの群れを横目にみながら、

私は冬の街を歩き続けた。

特に目的地があるわけでもない。

気の向くままに私は歩いた。

人としての本能を取り戻すために。

何かに押されていた。

 

神の意志。

必然。

私はこうするしか無かった。

必然と確信できる人生を持てることは幸せなことだ。

いろいろあっても結局。熱い思いは鉄をも溶かす。

人生を遂行して行くのはつらい側面もあるだろう。

それでも。この社会は人間が創ったものだ。

そして、この世界は神が創ったと信じよう。

そう信じる方が幸せでいられる。

私は都合のいいときにだけ神に祈る。

それでいい。

神は自分の心の中にいて、私は神と対話することによって意思を決定する。

自分を統治するテクニックだ。

神を精神的な支柱としたほうが、楽なときもある。

とくにハードな人生を送っている時には救われる。

私は、まだ何も得ていない。

私を見てそう思う人もいるだろう。

しかしそれは間違いだ。

 

私は来るべくしてここにいると思っている。

 

夢があるなら。

それがたとえ、リアリズムがなかったとしても。

今。自分がいるところが自分にとって正しい場所じゃないと魂が感じたなら。

今すぐトランクに荷物を詰めて、魂の求める正しい場所に向かうべきだ。

やるかやらないか。

そういう部分もある。

うまくいかないことが大半かもしれない。

それでも、なにもしなければ何もはじまらないのだ。

 

当時の諸問題は詳しくないけれど。

アメリカ合衆国の建国だってそうだ。

1620年、メイフラワーフラワー号がイギリスのプリマス港を出て北米のケープゴッドに着いた。

そこから150年アメリカ独立宣言。

さらに100年後には世界最大の経済力をもつ国になった。

止むに止まれぬ必然的理由で、アメリカに渡ったものが多いだろう。

それでも人類の歴史の中。たった250年でゼロから世界最大の近代国家にのしあがったのだ。

もう一度言おう。何事も行動しなければ何も始まらないのだ。

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