Live鑑賞 〜 Patti Austin “The Real Me (Jazz, R&B and Soul)” Live at BlueNote Tokyo

2013年10月13日。

Patti Austin “The Real Me (Jazz, R&B and Soul)” Live at BlueNote Tokyo

Patti Austin “The Real Me (Jazz, R&B and Soul)”
パティ・オースティン
“The Real Me (Jazz, R&B and Soul)”

Patti Austin(vo)
パティ・オースティン(ヴォーカル)
Mike Ricchiuti(p)
マイク・リシューティ(ピアノ)
Richard Hammond(b)
リチャード・ハモンド(ベース)
Steve Hass(ds)
スティーヴ・ハス(ドラムス)


<SET LIST>
1.EVERY LITTLE THING
2.STAIRWAY TO PARADISE
3.LITTLE BIT OF LOVE
4.SMOKE GETS IN YOUR EYES
5.PICK YOURSELF UP
6.NEVER NEVERLAND
7.CAN’T TAKE THAT AWAY
8.SAY YOU LOVE ME
9.BABY COME TO ME
10.HOW DO YOU KEEP THE MUSIC PLAYING
11.FUNNY FACE
12.LOVE WINS
13.LEAN ON ME


僕にしては珍しくブルーノートでボーカルを聴く。
まず最初に断っておくと、僕はパティに関してあまり知識がない。
もちろんいくつかのヒット曲があり日本でもメディアで流れたりする曲に関しては耳にしているし、一番有名なところでは「出没!アド街ック天国」のその街の女の子紹介で流れる時の「Kiss」などは一般の人でも知っているだろう。
音源としては中学生くらいの時に買ったスヌーピーのジャズコンピレーションアルバムで「Christmas Time Is Here」をパティが歌っているから、その意味では子供の頃から知っている歌声ではあるのだが、それ以外は皆無なので聞き込んでいない。

その意味で、パティに関してあれこれ評することなど出来ないから、パティからこのブログに辿り着いた人には大変申し訳ない。
で、結論から言えば僕はとにかくスティーブハスのドラミングを観に行ったわけである。




あまり日本では有名でないスティーブハスであるが、トップドラマーしか載れないと言っても過言ではないサイトDrummerWorldにも名を連ねる人物。
ドJazzからビリージョエル、ボディドリー、マンハッタントランスファーといった所、或いはジョンスコとかスコヘンといったフュージョン〜プログレ系までなんでも来いのドラマーだ。


そんなわけで普段とは違い、どちらかと言うとドラムがセットされているステージ右手の一段高い座席に陣取り、スティーブのドラミングを拝見(同席した女性からも「なんで早くから来ているのにドラム側にいるのだろう?」と言われたくらいだ)。


もちろん大方がパティを聴きにきている人たちで、客席は満員。
さすがはグラミーウィナー。
曲によっては客席も歌っている。
ブルーノートでたまにこうしてボーカルの人を観ると「歌が上手いとはこういう事を言う」としみじみ思う。
何と言うか、ノドからとかお腹から声が出ているとかそういう次元ではなく、体全体から。体が何倍ものデカさになって楽器代わりになって歌を発しているのだ。
その上でリズム感、音域、音圧があるからたまったものではない。
さらにパティはジャズだけでなくどのジャンルも歌いこなすからスゴいの一言。
飽きることなく最後まで楽しめました。


さて、スティーブに話を戻す。

ヤマハのセットにセイビアンのシンバル、エバンスのヘッド。
ドジャズじゃないから、スネアは大小3個セットされ、ツインペダル。カウベルも。
シンバルもスプラッシュからチャイナまで多種。
あらゆる曲に対応できるセットだ。


筋骨隆々の体つきだけを見ているとロックドラマーかと勘違いするほど。
ところがどっこい、さすがに様々なミュージシャンと共演歴が多いだけに、バーサタイルにどんなドラミングも叩きこなす。
繊細な表現も上手く、憎いところでかっこいいフィルインを叩き込んでくる。
4ビート、8ビート、ファンク、バラード〜ラテンに至るまで。
歌伴の時のドラミングはこう叩くのだよ!と教えられている気がした。
全然遠慮して叩いているわけじゃないのにうるさくないし、なにより自信を持って音を出してる感じ。
冒頭パティが登場するまでの一曲で少しドラムソロがあった以外は、叩きまくるシーンはなかったけれど、それはこちらも折り込み済みで観に行っているわけで、これはまた彼の大暴れするドラミングを是非見てみたいと思わせてくれました。


最後に、他のバンドメンバーも若くていい塩梅でしたね。
パティは63歳。まさに今脂が乗り切って一番エエ状態で、若いバーサタイルなメンバーと共に、また今後も素晴らしい歌唱を披露してくれることを願います。

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Writer:オーシャン

コラムニスト:オーシャン幼少の頃より音楽を始めとしたあらゆるエンターテインメントに触れる機会を持つ。学生時代はフュージョン系サークルにもプレイヤーとして所属。→ [ 詳細 ]

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