黙祷

夢中で勉強した青春もあった。

一日中。勉強していた。

本棚に並んだ 法律の本の山。一冊6千円くらいする本もある。

夢中で読みふけった。

昼間、写真が出てきたのだ。

大学生の頃の写真。

一緒に写っている友人は今、裁判官をしている。

 

今、私はどの辺にいるんだろう。

そう考えながら、お湯を沸かしインスタントコーヒーを入れた。

流し台の下に入れっぱなしにしていた、古いアイリッシュバーボンをすこし入れて啜った。

 

あの日々さえ遠くなっていく。

あの頃の私は、いろんなことに希望があり、そして焦っていた。

回想。

夜のすごし方としては悪くない。

昼間聞いた訃報。

顔見知り程度という人の死。

実感としてなにか感じるもの。

その人と親しかったわけでもない。

胸騒ぎ。

悲しいと思えるほどの接点があったわけじゃない。

口を利いたのも ほんの少し。

自分でもよくわからないけれどひっかかる。。。

人生は、いろんな事が起こりうるということだ。

世の中に絶対ということはない。

どう生きるか。

そういうテーマまで浮かんでくるのだ。

 

今の私は、過去の私の積み重ねだ。

未来の私もまた。。。

今の私にできること。

今の私が、今の私の都合で、未来の私の可能性を壊してはいけない。

 

私はちゃんと生きているだろうか。

 

今夜もいろいろ思い出しながら眠るだろう。

そしてうなされる。

今は、マットに沈んでいく自分の体を感じるだけだ。

 

こうして眠りに落ちていくしかないのだ。

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